ブログトップ

山猿

cdghare.exblog.jp

The Battle of East and West

e0042386_5243919.jpg
「IBO・Lウェルター級タイトルマッチ」(2009年5月2日@MGMグランド)
王者:リッキー・ハットン(英国)●KO2回2分59秒○四階級王者:マニー・パッキャオ(比国)

凄いものを見てしまいました。
僅か2ラウンド。そこに生じた衝撃。“Pac Man”の試合には毎回驚きが伴うものですが、今回のインパクトは尋常ではありません。
フィニッシュとなった左フックは21世紀最高のノックアウトパンチであり、昨年12月のデ・ラ・ホーヤ戦に続いて階級や世界タイトルといった近代ボクシングそのものを打ち砕く革命的な一発でした。別次元のボクシングを見ているようでした。

掛け率2対1と不利を予想されたハットンは「言いたい奴は何とでも言え。ビールばかり飲んでてデブな英国人がまた世界を驚かせてみせるぜ」と太々しく言い放ち、いつものようにバタバタとした動きからジャブ、左フックを乱打しながら突進に次ぐ突進。相手を押し込み、接近してはクリンチを繰り返す。ニックネームは“The Hitman”だが、そのスタイルは“力士”と呼ぶのがぴったりくる。個人的には全然好きなスタイルではないが、過去の敗戦はフロイド・メイウェザーJr.に喫した一度だけ。“Pretty Boy”には最終回に左フックを合わされて倒されてしまったが、序盤は“力士スタイル”で、そこそこ苦しめた。ナチュラルな140ポンドという体格面での優位、プレッシャーの強さで、10年前は112ポンドで戦っていた東洋人を圧倒するプランを描いていたはずだ。

現にスタートからの90秒はひと回り体の小さいパックマンを押し込み、ロープを背負わす展開に持っていっていた。
しかしパッキャオも一方的に圧力に屈していたわけではない。正面から仕掛けてくる英国人の猛攻を左に腰を折る動作で外しながら同時に右フックを打つ。左フックを振りながら出てくる相手に有効だと確信して打ち込むコンパクトな右フックがヒットする。開始2分過ぎ、無防備に左フックを打ち出そうとしたハットンのインサイドからカウンターで叩き込み、前のめりに倒す。再開後、ダメージで前に出る力を失ったハットンに踏み込みの伴う左ストレートを打ち込みダウンを追加した。

そして衝撃的なフィニッシュシーンに繋がるわけだが、世界中が想像だにしていなかったこのシーンもパッキャオとフレディ・ローチのコンビにははっきりとイメージできていたものだったのだろう。右フックを警戒させてからの死角を衝く左強打。幾度か左のタイミングを計りながら、最後は右リードを捨てておいて、狙いすました左フック一撃。ハットンは完全失神。“東洋の英雄”パックマンに対抗できるボクサーはもはや世界中で一人しか残っていない。

7月18日、ついにメイウェザーが現役復帰する。その先に究極のカードが待っている。
e0042386_5282723.jpg

[PR]
by the_leaping_hare | 2009-05-08 17:48 | Box
<< 豚インフルエンザ、そしてモンテレー クレーフェルトの風 >>