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山猿

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It is written.

「スラムドッグ$ミリオネア」(2008 英国)監督:ダニー・ボイル 脚本:サイモン・ボーフォイ 出演:デーヴ・パテル、マドル・ミッタル、フリーダ・ピント 音楽:A・R・ラフマーン 原作:ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」
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そんなわけで、ウイルス蔓延の世界でダニー・ボイルですよ!
第81回アカデミー賞8部門受賞。その後も様々な社会問題を巻き起こしていますが、映画そのものは希望と奇跡を賛美したすばらしいものでした。
この映画を観て何も感じない人や、難癖をつけているような人はこの先映画というものを観ない方がいい。時間と金の無駄だから。

社会的アイデンティティとしてのカースト、宗教対立、貧困が残る一方で、人口は11億を突破し、IT産業での充実、核兵器も保有する06年のインドが舞台。
スラム育ちの主人公の青年は国民的人気番組である「クイズ$ミリオネア」のインド版に出場する。次々と正解を重ね、ついには最高賞金2000万ルピーを賭けた最後の問題に到達。無学であるはずの青年が何故クイズに正解できる?不正を疑われ、警察に連行された青年が語る内容とは。

警察署での「現在」、クイズ番組に出演した「前日」、回想シーンとなる「過去」と映画は三つの時間軸を持ち、これが頻繁に交錯しながら進む。主人公がこれまで歩んできた人生、すなわち「過去」にはインドが抱える社会問題が色濃く反映されている。この複雑に絡み合う物語を、疾走感を持って描くダニー・ボイルの映像、選曲センスはさすが。そしてこれが本作の一番のすばらしさなのだが、社会問題という重いテーマに、ラブストーリー、純愛が割り込んでくる。辛く、理不尽な別れが何度もある。出会い、再会も待っている。だからこそ奇跡は生まれます。

ラスト、三つの時間軸の交錯が止み、「未来」へ時を刻み始めた瞬間からエンディングまでの流れが文句なしに感動的。最後に提示されるクイズとその「ファイナル・アンサー」。おれはこの場面をもう一度観たら泣くと思います。

実際にムンバイのスラム街で暮らす子供などをキャストに起用。瞳の輝きが実に印象的だった。また、主人公の兄役が修羅場を潜り抜けたメキシカンのボクサーのような風貌でいい味を出していた。
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by the_leaping_hare | 2009-05-18 06:47 | Movie
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