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山猿

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守り続けた国民の期待…

「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(2009年5月26日@ディファ有明)
王者:内藤大助(宮田)○判定3−0●同級10位:熊朝忠(中国)
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世界レベルの実力はないと思われた中国人挑戦者にダウンを奪われた上に、何度も効かされながらキャリアで凌いだ王者がジャッジ3者の支持を得て5度目の防衛に成功。試合直前に上海から東京に開催地が国をまたいで変更するという前代未聞のトラブルに加えて、試合内容もお粗末だった。
6回に内藤がダウン。偶然のバッティングによる相手側の出血により熊が4回と5回、内藤が10回にそれぞれ減点1点。

おれの採点では113−111で内藤。判定が不当だとは思わない。相手にパンチを打ち込み、ダメージを与えることでしかジャッジに訴えることができない前時代的な挑戦者のボクシングに対し、内藤は効いている場面以外での失点がなかった。まったく見せ場はなかったが、時間は支配したというところか。キャリアの差による勝利だ。しかし、なぜジャッジに日本人がいるのだろう。

それにしてもフラフラでしたな。20時30分に中継(ディレイ)が始まった時点で、おれは内藤の判定勝ちという結果を知っていたので、亀田大毅戦的な展開を思い描いていたのだが、技術的には当時の亀田大毅よりも劣る熊にこれほど押し込まれるとは想像していなかった。6回には右フックを避けきれず派手にダウン。8回、11回にもダウン寸前に追い込まれた。8回以降はよく最後まで持ったなというのが正直な感想だ。
TBSの中継は言うまでもなく最悪。「DREAM」とセットで放送するというだけで論外ですが。おれは長時間の前振りは「嫌なら見なきゃいい」と思うだけで、これに対しては寛容なのだが、では何故、これだけ時間があるにも関わらず入場シーンも国歌斉唱も流さないのかと頭にくる。ヴァン・ヘイレンを流しまくるのも鬱陶しい。

台湾を除く中国初の世界挑戦者・熊は健闘した。
150センチの小柄ながら、分厚い上半身と太い腕から繰り出されるパンチはなかなかパワフル。もっとも、その種類はスイング気味に振り上げる左右フック、それも直後に放送されていた横浜アリーナでの総合格闘技の選手が打つようなすべてが同じ軌道のものに限られる。また、パンチ力以上に驚かされたのが、そのタフネス。死角から飛んでくる内藤の右フックを幾度となくまともに喰らいながらも平然としていた。確かに首も太いが異常な打たれ強さだった。
3回終了まで残り10秒を知らせる拍子木をゴングと間違え、コーナーに帰りかかったところを後ろから“不意打ち”されたが、ここでもトラブルに陥ることはなかった。ルール上問題ないとはいえ、背を向けた無防備な相手に打ち込んだのは内藤の余裕のなさの表れだったか。このシーン、TBSのアナウンサーは「挑戦者は世界戦に慣れていません」と伝えていたがアホか。世界戦だから拍子木が鳴るわけじゃあるまいし。
熊はLフライ、ミニマムで戦えば、その特長がより活きる。まだまだ世界王者を誕生させる段階には至っていないが、中国プロボクシング史に意味のある一歩を刻んだ。

そしてV5王者・内藤。スピード、耐久力、反射神経での衰えがはっきり出た。年齢的に当然なのだが。WBCから90日以内での対戦指令が出ている暫定王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との統一戦をすんなり受けるのか知ったこっちゃないが、相手に関わらず、V6は厳しいように思う。
「亀田」へのアンチテーゼとしての役割は完全に終えた内藤に今、求められるのはファン無視のマッチメイクよりも、王者として相応しい散り際にあると思う。
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by the_leaping_hare | 2009-05-29 11:05 | Box
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