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山猿

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暫定王座

「WBA世界Sウェルター級暫定王座決定戦」(2009年8月30日@大阪府立体育会館第一競技場)
3位:石田順裕(金沢)○判定●4位:マルコ・アベンダーニョ(ベネズエラ)
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暫定王座の設置、対戦相手、試合内容、判定結果とどれもこれも文句をつけたいところですが、とにかく試合について触れます。

昨年9月22日、同会場で行われた同級挑戦者決定戦と同じカード。前戦では石田が5回に痛烈なダウンを喫するが、持ち直して115−114、115−113、113−115というスコアで勝利。ギリギリ許せる範囲の“地元判定”だった。
だからといって再戦でもアベンダーニョ有利だとは思わなかった。初戦ではKO負け寸前のグロッキーに陥りながらも、追撃を凌いだ石田。チャンスに仕留めきれなかったアベンダーニョは左右とも強打を持つが、それをクリーンヒットさせることは再戦ではより難しい。ボクシングが限られているベネズエラ人に対し、石田はアウトボクシングを基調としながらもある程度戦術に幅がある。地元開催だけにポイントでのリスクも少ない。石田の判定勝ちが順当だと思っていた。

身長で11・5センチ、リーチで5センチ上回る石田は左ジャブを使い、距離の限られているアベンダーニョの持ち味を消しにかかる。初回中盤、右回りをしながらジャブを突いていた石田は切り返すとともにステップインして右ストレートを打ち込む。元WBC世界Sフライ級王者・徳山昌守が得意とした攻撃パターンだが、アベンダーニョの右カウンターをまともに合わせられた。
これで石田の戦術は定まってしまったのか。以後、最終回までひたすら左ジャブを突くだけ。右は自分から打っていかないどころか、合わせることもしない。この判断を冷静だと勝因に挙げることは簡単だが、単調、消極的ともとれる12ラウンズ。王座を獲りにいくというには物足りない。

懐が深く、ストレートパンチャー、そしてジャブが攻防の生命線を握る。金沢ジムの選手は総じて“徳山昌守の劣化コピー”といえる。なかでも“最高傑作”といえるのが石田だが「相手を弾き、一瞬にして距離を掌握する」という徳山昌守ほどの強い左ジャブがないことが“オリジナル”との決定的な差だろう。今回もアベンダーニョに結構入られた。それでも、接近時に左フックの打ち合いでスピード、的確さで勝った。このため、ロープを背負っても余裕は失われなかった。

おれの採点は115−113で一応石田。アベンダーニョの勝ちという見方もできると思っただけに、ジャッジ3人が大差で石田を支持したことには少々驚いた。119−109、118−110、117−111。日本選手のジャブがここまでジャッジに評価された国際試合って初めてでは。

しかし喜べない。正規王者ダニエル・サントス(プエルトリコ)は11月14日、ラスベガス、MGMグランドでのパッキャオ−コット戦のアンダーカードで1位のユーリ・フォアマン(ベラルーシ)と初防衛戦を予定している。金沢ジムは年末の大阪市中央体育館を押さえているとのことだが、統一戦は日程的に不可能。石田が暫定王者である必要はまったくない。救いは石田自身が「暫定」であることを自覚し、統一戦を強く望んでいること。目指す道はただひとつである。

第3試合に出場したWBA世界バンタム級9位ウィリアム・ゴンサレス(ニカラグア)は初回から左ロングフックで07年新人王戦Sフライ級西軍代表・加藤心和(金沢)を吹っ飛ばすなど圧倒。しかし、同国人のWBA世界ミニマム級王者ローマン・ゴンサレスのようなパンチ精度、コンビネーションはなく、序盤を過ぎると左の大振りパンチャーとなってしまい後半は失速。平凡な判定勝ちに終わった。

セミの亀田大毅戦前には66歳の元同級王者・輪島功一会長が2ラウンドのスパーリング。声援は多かったが、「カエル飛び」は出なかった。昨年よりは会場は埋まっていたが、1階席にも結構空席が残った。
大毅は相変わらず。
「人間がここまで変わることができるというところを見せたい」という言葉は悪くなかったが、世界戦は苦しい。
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by the_leaping_hare | 2009-09-04 23:59 | Box
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