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山猿

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逆転の男

「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(2009年9月30日@大阪府立体育会館第二競技場)
王者:名城信男(六島)△判定1−1△同級1位:ウーゴ・カサレス(メキシコ)
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指名試合に相応しい好試合。
両選手が自らのボクシングを貫き、白熱の打ち合いが最終回まで続いた。
4ポイント差で名城、4ポイント差でカサレス、同ポイントというスプリットドローで名城が2度目の防衛に成功。おれの採点は115対113で名城。

中間距離での名城の手数の少なさ、ヒットすると映えるカサレスのアッパーがポイントを動かすことを考慮しても、採点は名城にとって酷なように思えた。また、最終回にレフェリーの曖昧なアクションによってダウンを流されるアンラッキーもあった。

名城が右ストレートを当てて先制する上々の立ち上がり。元WBO世界Lフライ級王者で5連続KO防衛の実績を誇るカサレスは右構えでスタートしたものの、1分過ぎにはサウスポーにスイッチ。その後もラウンド中に頻繁にスイッチを繰り返す。スイッチする際の動きは実にスムーズだったが、対名城としての戦略としては効果的だったかは疑わしい。
というのも、名城は明らかに右構えのカサレスを嫌がっていた。本来のスタンスである右構えでのカサレスは右のバリエーションこそ乏しいものの、斜め下から突き上げるアッパーを主武器に上下に散らす左は多彩で、戦える距離の範囲も広い。一方、左構えではワンツー主体のボクシングとなり、名城はこれに対応できていた。カサレスは脚を使う時もサウスポーになるため、サウスポーへのスイッチには危機回避の意味もあるのだろうが、例えば8回、9回の攻勢に転じた場面で一貫してオーソドックスで畳み掛けられていたら危なかった。

おれの中では試合をするごとに名城の評価は下がる一方だったが、今回は良い試合でした。ラスト2回を圧倒した気迫とスタミナは見事。
中盤のボディ攻撃も効果をあげており、もっと徹底すれば攻め落とせていたとも思えた。ただ、攻撃にはもう少し連続性がほしい。見合った場面では、力の入った窮屈な構えをして強打を繰り出す威圧感こそあるが、現実としての手数がない。このスタイルではポイントのリスクがあることが証明されたし、その度合いは本人が望んでいるラスベガスのリングではより大きくなる。
あまりに簡単にダウンした前回の冨山浩之介戦では「壊れた」かとも思ったが、やはり打たれ強かった。

今回、日本の試合では珍しいことに当日計量の数値が公表された。
名城が56・2キロ(前日13時の計量時52・1キロ)、カサレスが58・0キロ(計量時51・7キロ)というもの。Lフライ級上がりであるカサレスだが、体格的な見劣りはまったくなかった。

史上初となる府立第二での世界戦。主催者発表による観衆は1410人。
確認できただけで歴代世界王者はファイティング原田、六車卓也、井岡弘樹、大橋秀行、畑中清詞、長谷川穂積、坂田健史、石田順裕、フェルナンド・モンティエル、クリスチャン・ミハレス、メッグン・シンスラットの姿がありました。
試合前には橋下徹大阪府知事が世界戦前にリングに上がって挨拶。
その他著名人では、菅原文太、C大阪FW西澤明訓、神戸FW大久保嘉人、MF田中英雄、阪神・浅井良外野手、オール阪神、「Get Along Together」山根康広らなかなか豪華な顔ぶれで、普段の世界戦とはまた異なる小会場ならではの一体感はありました。
テレビ東京による放送は約30分遅れてのディレイでした。
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by the_leaping_hare | 2009-10-02 06:37 | Box
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