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山猿

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FIREPOWER

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「WBO世界ウェルター級タイトルマッチ」(2009年11月14日@MGMグランド)
王者:ミゲール・コット(プエルトリコ)●TKO12回55秒○1位:マニー・パッキャオ(比国)

もはやパッキャオの試合に“体格差”を持ち出すのはニコライ・ワルーエフとでも対戦しない限り無用とも思わせるだけの常識破りの連続を見せつけられていたわけだが、初回、コットの硬質の左ジャブに弾かれた瞬間は、今度こそは…という思いも一瞬過った。
ジャブで崩し、主武器の左ボディでパッキャオのスピードを殺す。思い描く攻撃でプエルトリカンは序盤を互角以上に戦っていた。しかし、長くは続かない。3回40秒過ぎに高速の右フックで両手を付くダウンを喫する。見えないパンチでダウンを奪われたコットのファイトプランはここで崩壊。打ち合いに出た4回に左アッパーで再び倒され、致命的なダメージを負うと、アウトボクシングで延命に出ざるを得なかった。ダメージに流血、顔の腫れも加わり、最終回にストップ。パッキャオが圧勝で史上5人目となる5階級制覇に成功した。これほどワンサイドになるとは驚いた。

脚を止めて相手の攻撃を正面から受け止めるなど所々で今回のパッキャオは不可解な動きをしており、個人的には144ポンドは重過ぎるように思ったが、この選手の場合、相手を求めて階級移動を重ねているのでそこは論点ではない。
パワー、スピード、戦術、気迫とあらゆる面でコットを圧倒した。ある程度慎重に戦っていたのはスピード差を活かして奪った最初のダウンまで。高速コンビに組み込んだ3発目の右フックで倒す。1発目の顔面へのジャブ、2発目のボディへの左ストレートでコットのブロックを動かし、右フックに繋げた。この右フックも力を込めたパンチではなく、4発目の左ストレートに続いているが、その前にコットが倒れた。中間距離での優位性を崩されたコットが出てきた4回には左アッパーのカウンターでダウンを追加。後半は一方的に追い続ける展開で最終回にはケニー・ベイレス主審に目線でストップを促してのフィニッシュ。

あれほど勇敢なコットが逃げ続けるという信じられないような試合。「マニーはこれまで戦ってきた中で最高のボクサーの一人。パンチがどこからくるのかわからず見えなかった」というコメントがコットから聞かれるとは誰が思った。フィリピンの英雄が紡ぐ奇跡の物語はまだまだ終幕の気配がない。
デジタルのみの生中継としたWOWOWの方針は到底支持する気になれないが、とにかくリアルタイムで見るべき衝撃的な試合だった。
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by the_leaping_hare | 2009-11-16 15:13 | Box
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