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山猿

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戦うことが、運命だった。

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「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(2009年11月29日@さいたまSA)
王者:内藤大助(宮田)●判定○同級3位:亀田興毅(亀田)

8ラウンド終了時、この試合2度目の中間採点発表時に内藤大助の王座陥落を覚悟した。同時に最悪の結果を招いてしまったと心が沈んだ。
あの亀田が2階級制覇、WBCとWBAの両団体制覇の快挙。亀田家の復活。別に内藤のファンではないが、何かが終わったと思った。

そして数時間が経過。もう一度試合を見直した。深夜、TBSのスポーツニュースに生出演して終始「です・ます調」で試合を振り返り、前王者への敬意を示す亀田の姿に、こちらも少々考えを改めた。少なくとも次戦までは世界王者としての亀田興毅に期待してみようと。

スコアは112対116が1人、111対117が2人のユナニマス・デシジョン。おれの採点では113対115で、大差の付く試合との印象はないが、試合後の両者の顔を見ても分かるように亀田の勝利は疑いのないところ。戦前の「3ラウンドKO宣言」などは更々その気がないことは分かり切っていたが、ここまで客観的に自身と相手の戦力を分析し、勝利という一点だけを目指すファイトプランを忠実に遂行できる能力は称えていい。
ボクサーなのか判別も付かないような外国人に圧勝を重ね、周囲から酷評を浴び続けた中でも興毅だけは自らが決定力を欠くボクサーであることを冷静に感じ取っていたのか。一切ブレることなく淡々とポイントアウトに徹した。左ボディフックから右フック、右ボディストレートから左フック。顔面へ返す2発目のフックをノールックで放つ内藤特有の変則コンビネーションもよく研究していた。亀田がある程度脚を使ってくることを想定して距離を置いての攻防を準備していた内藤を空転させる。
亀田ボクシングの欠点とも指摘されるジャブを出せない点は変わらなかったが、その必要性を感じさせないほどノーモーションの左ストレートが冴えた。独特の訓練の賜物なのか、亀田はあの窮屈な構えから驚くほど速くシャープな左ストレートを打つことができる。さほど威力は感じられないが、2回に早くも内藤の鼻骨を折る(?)ことに成功。打ち終わりには右フックを合わせるだけに止め、不用意な打撃戦を回避したことも正解だった。
中間距離を支配したのは亀田であり、ラウンドが進むにつれ内藤は必要以上にKOを意識した単発強振の悪いリズムに陥る。亀田は途中採点公開の効用もよく理解しており、自らのスタイルを限定していくとともに、相手の戦術への見切りにも入った。勝敗を分けるとも言われた駆け引きや経験で上回ったのは、内藤ではなく亀田だった。

これは亀田三兄弟のベストファイト。
狙い通りの展開での勝利であり、「その大口、二度と叩けなくなるくらい顎でも割られて倒されてしまえ」と思っていた人間を黙らせるのに十分過ぎるパフォーマンスだった。
果たして亀田はボクシング界に必要なのか。内藤との再戦はもういらない。初防衛戦が規定通り暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との統一戦になるというのなら、じっくりと考えてみるべきかもしれない。

TBSの実況は最悪。ただ、オープニングのタイトル・ムービーなどは日テレなどとは比べものにならないくらい格好いいね。
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by the_leaping_hare | 2009-11-30 03:59 | Box
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