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山猿

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動くな、死ね、甦れ!

1月からそこそこ忙しかったのですが、3度も九条に行ってしまいました。
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大阪市西区九条。近年、ほとんど訪れていなかったディープスポットです。
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2010年を迎えて、なぜ九条なのか。かの地に根付く特殊風俗に目覚めたわけでも、ハマってしまったわけでもありません。しかし3日連続で通ってしまいました。

大阪市営地下鉄中央線九条駅6番出口から始まるナインモール商店街。ここから北に一歩を足を進めると、そこは松島新地。目的地では決してありません。
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では、なぜ九条なのか。
それはこの街に映画館「シネ・ヌーヴォ」があるから。東京でいうとユーロスペースあたりで上映されている作品を上映するミニシアター。面倒な地域に存在するが、関西ではここだけでしか上映されない作品があるため時々訪れる必要に迫られる。ナインモールの一本南の筋を進む。目印は「SNACKお茶女」ってとこか。
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ここを南進。卓球ショップのとなりにその映画館は存在する。
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なんだかんだ言って、これまで30回以上は訪れている。

そんで、なぜ新年早々、3日連続で通ったのか。
言うまでもなくカネフスキー特集が行われていたからだ。
「動くな、死ね、甦れ!」「ひとりで生きる」「ぼくら、20世紀の子供たち」の三部作。いずれもDVD化されていない。この機会を逃すと、スクリーンはおろか、一生観ることのできない映画かもしれない。
1日で一気に3作観ることも可能な上映スケジュールとなっていたが、今のおれにはそれが許される時間的余裕もなければ、集中力もない。だから連日、九条に通った。

第二次世界大戦直後、収容所地帯と化したソ連の炭坑町を舞台としながらも、カネフスキーの目には21世紀という時代が確かに見えていたのだと思う。
世の中を生き抜く過酷さや逞しさと、夢や希望を抱く無邪気さや美しさ。モノクロームの世界に広がる色彩と、彩られた世界を包む影。真っ白な雪と、真っ黒な泥。そして映画と、現実。剝き出しの感情がグサグサと心に突き刺さる。

カネフスキーは、伝説の三部作を撮り終えると、その後1本のドキュメンタリーだけを残し、忽然と姿を消した。
果たしてカネフスキーはこの21世紀に絶望を見たのか。それとも希望を紡ぎ出したのか。ビタリ・カネフスキー、そして主演の少年と少女、パベル・ナザロフとディナラ・ドルカロワが今なお笑顔のある人生を過ごしていることを願うばかりだ。
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映画館を出て、駅とは反対方向に少し歩いた。唐突に目の前に現れる変態チックな京セラドーム。なにか異次元に迷い込んだような日々だった。
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by the_leaping_hare | 2010-02-01 06:00 | Movie
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