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山猿

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クロッシング

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「クロッシング」(2008年・韓国)
監督:金泰均
主演:車仁杓

脱北者100人以上を取材して作られた韓国映画。韓国映画だからこそ、描かれる北朝鮮の凄惨な生活環境にもリアリティがあり、韓国は必要以上に豊かな国となる。登場人物の北朝鮮国家への直接的な批判はないものの、家族への思いの叫びがこの映画の持つメッセージとなる。
かの欠陥国家の問題を痛烈に衝いた作品だけに「南北融和」を掲げた盧武鉉前政権下では大っぴらに製作、上映できなかった。ただ、08年の作品が投げかけた問題提起は過去のものではない。

かつて国を代表するサッカー選手だった主人公は炭坑夫となり、貧しいながらも妻、息子と慎ましく暮らしていた。しかし妻が結核となり、自国では手に入らない薬を求めて、単身命懸けで国境を越える。脱北という要素を絡めて家族の幸せだけを求めた善良な一家に降りかかる悲劇を描く。そこに一切の救いはない。
国境を越えてみて初めて知るところは、やさしい雨の降り注ぐ北朝鮮の貧村で、家族3人、穏やかに暮らしていた頃が一番幸せだったということ。足掻いても抜け出せない国家に縛られた悲劇がある。

離れ離れになった父子を繋いだのものは自国にはあり得ない携帯電話。その第一声がとにかく心に響いた。
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by the_leaping_hare | 2010-08-14 12:08 | Movie
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