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山猿

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大坂冬の陣

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「WBC世界Sフライ級タイトルマッチ」(2011年2月5日@大阪府立体育館第1競技場)
王者:トマス・ロハス(メキシコ)○判定●同級7位:名城信男(六島)

真田幸村モデルの甲冑を纏って入場してきた名城は、何とも似合っていなくていい味を出していた。2度獲得したWBA同級王座から鞍替えしてWBCのベルトを狙った一戦。結果、獲得できなかったが、緑のベルトは名城に似合っただろうか。その姿がいまいち思い浮かばない。

試合序盤を見て、かなりの熱戦になるのではという予感がした。しかし、WBCの世界戦で適用される公開採点が試合のおもしろさを削いだ。
前半4ラウンド、名城はいつも以上に手数は出て、ボディも打ちながら攻めた。上々の入りだったが、4回終了時の最初の公開採点は2者が2ポイント差で王者、1者がドローというもの。下がりながらも右フック、中間距離で停滞した時間にはストレート系のシャープなパンチを飛ばしてくるロハスにポイントが振られた形だが、まあ、これは妥当。

このクラスでは屈指の174センチという長身を誇る王者・ロハス。体格に恵まれて射程が長く、フットワークも速く、パンチも切れる選手だが、穴も多い。打たれ強くなく、ガードは低く、スタミナにも難がある。その割には打ち合いを好むため、付け入る隙は多い。
序盤の名城の戦い方は間違っていないと思った。少々ポイントを落とそうが、打ち合いに巻き込み、ボディを打ってスタミナを奪う。しかし、これではポイントを取れないと判断したのか、以降は右フックを強振するだけの単調な攻めになってしまった。結果、8回終了時には5、3、1差とポイントは広がり、こうなればロハスはもう出てこない。名城は7回に右フックで2度、9回に右ショート(この試合のベストショット)で王者の動きを止めるものの、どれも単発。ロハスの巧みなボディワークに翻弄された。

後半4ラウンド、王者は完全に逃げ切り態勢。白熱した序盤が嘘のように失望感だけが漂う試合終了のゴングが鳴る。一応両者ともガッツポーズをしていたが、勝敗は明らか。なお、8回に偶然のバッティングでロハスが眉間をカットしてWBCルールにより名城に減点1。おれの採点では115−112で王者だが、点差以上の名城の完敗だと感じる。

昨年5月のカサレス・第2戦に続き、今回もテレビ大阪が75分枠で生中継。ロハスの入場とメキシコ国歌がCMに少し侵食された以外は良い放送でした。解説席は徳山昌守氏と長谷川穂積という考えられ得る最高の人選。この2人の分析を聞いていると、世界戦で勝ち続けるには、相当な頭脳が必要だということがよく分かる。特に徳山氏の解説は平然とダメ出しするので痛快。今回も「僕やったらまったく違う戦い方で攻略できたんじゃないかな、みたいな…」と痛烈に締めてくれました。

オープンスコアリング、出血による減点など名城にもうひとつマッチしなかったWBCルール。王者・ロハスとの相性は決して悪くなかったと思うのだが。
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by the_leaping_hare | 2011-02-07 15:45 | Box
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