「REAL SPIRITS Vol.13」(2011年2月16日@神戸市立中央体育館)
◆バンタム級4回戦 小坂遼(真正)○TKO2回2分45秒●平原和洋(川田)
◆ミドル級4回戦 田中博人(真正)●判定0−3○朝原寛(倉敷守安)
◆ライト級4回戦 山口翔太(真正)○判定3−0●大浦純生(泉北)
◆55キロ契約4回戦 小澤サトシ(真正)○判定3-0●辻彬宏(江坂)
◆フェザー級6回戦 井川拓也(黒潮)●判定0-2○北田竜統(JM加古川)
◆Sライト級6回戦 徳永幸大(ウォズ)○TKO4回終了●橋野佑太(尼崎亀谷)
◆フライ級8回戦 戎岡淳一(明石)△負傷引き分け3回1分43秒△新垣勝彦(アポロ)
◆ライト級10回戦 金井アキノリ(真正)●TKO8回2分41秒○岩下幸右(Gツダ)
真正ジム主催の「リアルスピリッツ」。久々の中央体育館での開催。間違えて文化ホールの方に行ってしまった…
金井アキノリこと金井晶聡。現在日本ライト級8位。デビューから14連続KOの日本記録保持者。「姫路のKOキング」などの異名を持つ播州を代表するボクサー。昨年2月に2年8ヶ月のブランクを経て復帰。5月の復帰2戦目、恰好の“踏み台”になると見た真正ジムに指名され、今回と同会場で売り出し中の伊波ファン・カスティーヨ(真正)と対戦する。意地の2回TKOでカスティーヨを沈め、日本ランクに復帰。9月には東洋太平洋ライト級王者・三垣龍次(MT)に挑み、ダウン応酬の末、6回TKO負け。10月、真正ジムに移籍。
対する岩下幸右。23戦11勝(6KO)10敗2分。勝ち負けを繰り返し、ランキングには一歩手が届かない中堅ボクサー。昨年11月の「リアルスピリッツ」で売り出し中の鈴木悠平(真正)の調整試合の相手として選ばれる。番狂わせの3回TKO勝ち。ランキング入りこそ逃したが、この勝利が今回のメインに繋がった。
真正ジムを巡る奇妙なリンクで結ばれた両者によるノンタイトル戦。そして試合は岩下の8回TKO勝ち。真正ジム連破に成功した。
番狂わせとも言っていい結果だが、岩下陣営からすれば作戦通りの展開で勝利への道筋が見えていたように思う。前半戦は脚を使って距離を取り、攻撃は軽いワンツーだけ。とにかく強打は喰らわないように丁寧なボクシングを展開した。対する金井はやはりボクシングが雑。移籍初戦、練習量は増え、キレも少しずつ戻っていることは伺えるが、致命的にディフェンスが悪い。
「相手の目は切れるよー」との声が岩下陣営から飛んでいた4回終盤、岩下がコンパクトな右ストレートで金井の左目上を狙い通りに切り裂く。ストップ負けの恐れが出てきた金井は5回に出るが、ガードがさらに悪化。再び被弾し、右目上もカット。以後、金井の接近戦にも岩下は問題なく対応。2度のドクターチェックが入り、出血によるストップが時間の問題となったところで連打をまとめると、川上じゅん主審が試合を止めた。
岩下は今度こそランク入り確実。戦績が悪いため、“安牌”と見られてタイトル挑戦の機会も巡ってくるのでは。しっかりと練習を積んできたことが伝わる見事な勝利でした。
2月27日にBS日テレで放送。解説は六車卓也氏と長谷川穂積。
メイン前に長谷川が矢田立郎神戸市長から「神戸市スポーツ特別賞」なるものを授与された。そのまま市長もSPとともにメインを観戦していたが、21時になったところで退場。試合は山場を迎えようとしてたが。あと、セミに戎岡弟が出たので辰吉丈一郎も来場していた。会場は空調が効いていなくて寒すぎた。