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山猿

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天上天下唯我独尊

e0042386_3254082.jpgG+で生中継されたこのダブル・タイトルマッチを興味深く見た。そして感心した。セミ・ファイナル,東洋太平洋ウェルター級戦で,圧倒的不利を予想された挑戦者・佐々木基樹(帝拳)の王座奪取に。
佐々木は2浪の末,96年に一般入試で早大教育学部国語国文科に入学。00年に無事卒業している。つまり広末涼子(中退)や小島よしおの先輩であり,学部は異なれど『五体不満足』の乙武君の同級生に当たる。在学中の97年に協栄ジムからデビューし,東日本新人王を経て,卒業後の03年2月に現日本ウエルター級王者・湯場忠志(都城レオスポーツ)の持つ日本S・ライト級王座に挑み,9回TKO勝ちの大番狂わせでタイトルを獲得した。初防衛戦であっさり陥落すると30歳を超えた近年は精彩を欠く試合が目立っていたが,昨年末に何を思ったのか,協栄→帝拳という“禁断の移籍”を敢行し,今回の試合に漕ぎつけた。その極悪面に加え,時に獰猛なファイト・スタイルからは想像し難いが,学歴も手伝いボクシング・ファンの間では“頭脳派ボクサー”で通っている。
王者・サンティリャンはこの試合から石神井スポーツの所属となったフィリピン国籍のサウスポーの強打者。輸入ボクサーの宿命として敗戦は“ジャパニーズ・ドリーム”の終焉を意味する。佐々木同様に負けの許されない試合だった。
あとのない者同士の一戦は,挑戦者が“インテリぶり”をまざまざと見せつけた。使用されたグローブがグラント(アメリカ製)ということに驚いている間もなく,初回ゴングと同時に挑戦者が特攻し,王者を面食らわすと,2回に左フックでダウンを奪う。ここからが佐々木の真骨頂だ。スタミナ無視といわんばかりのスタイルと見せかけながら,ちゃんとペース配分を考えている。長い左ストレートを打ちたい王者の距離には決して止まらずに休み,唯一勝負できるショート・レンジの死角から左右フックを繰り出す。疲労,ダメージを重ねながらも冷静さは失わず,6回に王者を呼び込み,左フックで2度倒してストップした。戦力に劣る者が,戦術で呼び込んだ勝利だ。5年前のジャイアント・キリングを思い起こさせるようなすばらしい戴冠劇だった。

メインの2冠王者・河野公平(ワタナベ)の堂々とした戦いぶりも見事でした。充実した興行だったと思います。
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by the_leaping_hare | 2008-02-17 03:57 | Box
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