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山猿

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ラスト、コーション

e0042386_31720100.jpg『ラスト、コーション』(2007米国,中国,台湾,香港)2007ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞

スパイとその潜入対象者が警戒と裏切りの日々を共有する中で,特別な感情を抱いてゆくというスパイものとしては王道ストーリーなのですが,完成度が非常に高い。前半と後半で物語はふたつ。前半は盧溝橋事件後の1938年の香港。後半は1942年,日本軍占領下の上海。些細なことから抗日運動に身を投じ,女スパイになった広州出身の田舎娘が自らの幸せを捨て,親日派特殊機関幹部を暗殺するために人生を捧げる物語。女スパイにこの作品が処女作となるタン・ウェイ(湯唯)。敵対する親日派幹部にトニー・レオン(梁朝偉)。
この作品がセンセーショナルに取り上げられるのは,なんちゅう体位でやってんのかいというほどの「脱ぎまくり,やりまくり」で腋毛とぼかしありの後半の性描写なのだが,それ以上に印象に残ったのが前半部でのタン・ウェイの処女喪失シーン。親日派の若夫人と身分を偽り,潜入対象に取り入ろうとするのだが,さすがに処女ではバレるだろうと,来るべき日を前に,好きでもない仲間の男に練習させてもらいながら女としての本能に目覚めていく様が実に見事に描かれている。タン・ウェイは,単なる美人に留まらず狂気を持ちあわせている。一歩間違えればどうしようもなく汚い女に見えてしまうところを最後まで美しくあったのは,監督のアン・リーが極めてまともな人間だからであろう。
総制作費37億円をかけてマレーシアにつくった当時の上海を再現したセットも見事。あと,ジョアン・チェン(『シュウシュウの季節』の監督)の姿を久々に見た。
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by the_leaping_hare | 2008-03-01 12:30 | Movie
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