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山猿

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UNFINISHED BUSINESS

e0042386_22364272.jpgいや,すんげえ試合だった。おれは幸いにして昨日,今日と連休だったため,プチ・ネット断ちをして結果を知らぬままにWOWOWの放送に臨んだんだけど,判定が出るまでなんともいえぬ緊張感を存分に味わうことができました。両手を突きあげるマルケス,やや不安げな表情を浮かべてコーナーに跪き祈りを捧げるパッキャオ。一戦目を超える激闘でした。

両者は2004年5月8日にラスベガス・MGMグランドで対戦。当時,WBA/IBF世界フェザー級王者だったマルケスにパッキャオが挑んだ一戦では,初回に衝撃のシーンが待っていました。精密機械のように繊細にプログラミングされたマルケスのボクシングをパックマンがいきなり破壊する。左ストレートでダウン三度。「信じられない」といった表情で崩れていったマルケス兄でしたが,リカバーし難いダメージを負いながらも諦めません。美しい軌道を描き,軸のぶれない右フックを中心に中盤以降,猛反撃。最終回まで戦い抜き,1−1のドローで,マルケスが防衛に成功しました。

あれから4年。パッキャオはマルコ・アントニオ・バレラ,エリック・モラレスといったメキシコが誇る名王者を粉砕。マルケスもバレラやロッキー・フアレス(米国)を下し,この日を迎えました。果たしえなかった決着をつけるために。

おれの採点は114−113でパッキャオ。勝敗を分けたのは3ラウンドのダウンだというしかありません。第3ラウンド残り30秒,ここまで効果的なパンチを打ち込めずにいたパッキャオが得意の踏み込みの効いた左ストレートを叩き込む。直後,打ち合いになったところでマルケスは右ストレートから左フックへのコンビネーションを出す。そのコンビネーションのつなぎの間にパッキャオの左ショートフックが炸裂。後方にぶっ倒れるマルケス。パックマンの伸びる左ストレートを警戒して左側にステップを切り,セーフティーゾーンにいるはずが,想像を超える角度でインサイドを突いてきた一撃をまともに浴びました。普通ならここで勝負は終わっているところです。しかし,マルケスはカウント8で立ち上がる。このラウンドの残り時間は10秒。立っていることが精一杯ながらマルケスはここで打ち合いに出ました。両者,ギリギリのタイミングでパンチを放つ,火の出るような打ち合い。

致命的ダメージを負ったマルケスは驚異的な回復を見せ,ノーモーションの右ストレート,メキシコ人特有の左ボディフックでパッキャオの動きを幾度も止めます。しかしパックマンもさすがで,ボディを効かされた後の10ラウンドに,マルケスの左フックをダッキングで外しながら放った凄まじい左フックで王者をグロッキーに陥らせました。

4年前の初戦ではマルケスは右フック,パッキャオは左ストレートを主武器に戦いました。今回はマルケスが左ボディと右ストレート,パッキャオは左フックと,共に新たなる武器を用意しました。経験と研究を重ねてお互いが勝利に拘る。リターンマッチの醍醐味が凝縮した名勝負です。

2−1の判定でパッキャオが東洋人として初の三階級制覇を達成。これほど記憶に残るボクサーもいないというほどのパッキャオですが,偉大なる記録を刻んだことをうれしく思います。そしてマルケス。美しすぎるコンビネーション,正確無比なカウンター。敗者になったとはいえ,最後まで誇り高きメキシカンでした。
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by the_leaping_hare | 2008-03-17 23:37 | Box
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