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山猿

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トリプル世界戦・その3 衝撃

e0042386_21342811.jpg「WBC世界ミニマム級タイトルマッチ」(9月15日・パシフィコ横浜)
王者:新井田豊(横浜光)●TKO4回1分59秒○同級1位:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)

前戦の感動の余韻が残る会場で,必死に涙を堪えようとしているうちに始まったメインイベント。夢見心地から現実に一気に引き戻されるようなとてつもないインパクトがありました。ニカラグアという国は時にとてつもないボクサーを生み出しますな。ローマン“Chocolatito”ゴンサレスのあまりの強さに痺れました。

日本に上陸した“怪物挑戦者”ということでは02年3月9日,日本武道館でWBA世界Sフライ級王者のセレス小林(国際)を5度倒し,22戦全勝全KOで世界王者となったアレクサンドル“Explosivo”ムニョス(ベネズエラ)が引き合いに出されたりしますが,攻撃力は桁違いだったもののディフェンスやペース配分など随分と付け入る隙のあったムニョスに比べ,ロマゴンの完成度の高さには諦めを覚える以外ありませんでした。個人的には90年10月25日,WBC世界ストロー級王者・大橋秀行(ヨネクラ)を子供扱いして5回2分で仕留めたリカルド“Finito”ロペス(メキシコ)級の衝撃でした。凄いものを目の当たりにしたという感じです。

攻撃の起点となる左ジャブの精度,スピード,伸びすべてが一級品。このパンチを当ててから左フックを上下に繋ぎ,相手のガードが破綻したところで右を入れる。メキシコ製グローブの効用もあり,新井田の右目を腫れさせて4回にストップ。流れるようなコンビネーションとそれを可能にする下半身の安定感。しっかりした構えと万が一の偶然も許さない高いガード。ミニマム級にしては体も大きく,どこをどう見てもロマゴンには隙がありません。

試合自体は相当に見応えがありました。個人的には今年,日本で行われた試合の中でベストバウト。これぞ世界王者とトップコンテンダーの戦いといえるものでした。あれほど恐ろしいパンチを打ってくる相手に勇敢に向かっていったV7王者の意地。潔かったし,美しかった。とてもじゃないが真似のできない高速左トリプル。おおよそ最軽量級とは思えない試合が展開されました。王者の,そして敗者の美学をここに見ました。
見る人が見れば当然理解できることですが,「新井田だからここまでやれた」という試合です。それでいてこの結果なのです。伝説の幕開けに立ち会った衝撃に奮えました。
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by the_leaping_hare | 2008-09-22 04:43 | Box
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