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山猿

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WPB7 メキシコの魂と新たなる希望

e0042386_2164865.jpg「WBC世界フェザー級タイトルマッチ」(2008年10月16日・国立代々木第一体育館)
王者:オスカル・ラリオス(メキシコ)○判定2−1●挑戦者9位:粟生隆寛(帝拳)

オープンスコアリングシステムのため試合が終了した瞬間,王者の防衛だと思いましたが,これが中間発表なしの試合であれば最終回終了のゴングから採点結果の発表までの時間は新王者誕生への期待も持てたことでしょう。

史上初の「高校六冠」というステータスと,日本ボクシング界において唯一無二の政治力を誇る所属ジムの加護により実現した粟生隆寛の世界初挑戦。果たしてエドウィン・バレロ,ホルヘ・リナレスの両ベネズエラ人が保持するベルト2本を返上してまで実現に漕ぎ着けるほどのものかと,疑問を覚えていましたが,一世一代の大勝負でベストファイトといえる試合を見せた粟生への評価は大きく変わりました。初回から鋭い左ストレートを繰り出し,獰猛な王者を追い込んだ。
おれの採点では114−112でラリオス。採点は極めて妥当だったと思います。が,この試合がWBCの正規のタイトルマッチとして成立した過程を考えると,ここまで真っ当な採点が為されたことが不思議にさえも思えるほどです。

粟生の敗因としてはまったく異なる二点が挙げられます。4回に右フックのカウンターで痛烈なダウンを奪いながら,そこで勝負を決められなかったこと。そして,多大なダメージを負った王者がポイント勝負に切り替えてから多用した左ジャブを貰いすぎたこと。どちらかを克服できていれば勝てていました。
ただ,これは意味のある敗戦です。8回終了時,公表されたスコアは2ポイント王者,2ポイント挑戦者,ドローの三者三様。つまりは残り4ラウンズを優勢に進めた選手が勝利を得るということです。こうなった場合,戦略としては2パターンあります。ひとつはポイントは微妙だから挑戦者らしく玉砕覚悟でKOを狙うスタイル。もうひとつは4ラウンズの内,3ラウンズを支配することに徹するスタイル。粟生が採ったのは後者だったのでしょう。過去四度の日本タイトル戦では捌いているのか,逃げいているのかよくわからない中途半端なスタイルのまま勝ってきたツケがここで出ました。これでは世界に通用しないということが結果としてはっきり出たことに意味があります。ただ世界を獲ることだけが目標であるなら勿体ないとしか言いようのない惜敗。ただ,粟生はその先が見えているボクサーだと信じています。

と,粟生への評価が一変した敗戦だったのですが,ここに来てダイレクトでの再戦が濃厚との報道。これはどうかと。確かにラリオスは全盛期から大きく落ちており,狙い目だということは理解できますが,再戦するには納得する過程を踏んでからにしろと言いたい。そりゃ,噛ませとの前哨戦なんかいらないさ。じゃあ,誰とやれって。いるじゃないか,榎が。ここをクリアすれば,誰も文句は言わんだろ。
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by the_leaping_hare | 2008-10-30 03:51 | Box
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