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山猿

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88年カルテット

「第4回・チャンピオンズヒート」(2008年11月24日・大阪府立体育会館第二競技場)
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昨年10月14日に初回が開催された井岡ジム主催興行「チャンピオンズヒート」の第四弾。これまでは森岡ジムとの共催名義だったが,“乗り興行”を三度経験してプロモーターライセンス取得を認められたのだろう。今回は単独興行となった。なお,プロモーターは井岡弘樹会長の実兄で,“高校六冠”井岡一翔(東農大2年)の父でもある井岡一法氏とのこと。
07年ウェルター級新人王西軍代表・水本昌寛,06年高校選抜フェザー級王者・上谷雄太,06年バンタム級西日本新人王・橋詰知明,05年高校総体フライ級王者・宮崎亮の井岡ジムの未来を担う“88年カルテット”が揃い踏み。
ロンドン五輪後にはプロ転向するであろう同じ88年生まれの井岡一翔も会場に駆けつけて声援を送っていた。

しかし客の多さにたまげた。さすがに西日本最大の会員数を誇り,強固なスポンサーをいくつも抱える井岡ジムだけあって府立第二のキャパ(800人)は軽くオーバー。消防法に引っかかるのではというほど立ち見が出ていた。

★「第5試合,64・6キロ契約8回戦」水本昌寛(井岡)○KO3回59秒●川原慎次(陽光アダチ)
34歳の川原は98年9月の勝利を最後に引き分けを挟み16連敗していたが,今年8月2日の住吉区民センターでの試合で,07年Sライト級新人王準優勝の石橋正和(六島)を初回1分20秒TKOで破る波乱を巻き起こして約10年ぶりに勝利。その戦績と“たこ焼き屋ボクサー”として関西ボクシング界の名物選手でもある。
川原が前戦の勢いのまま乱打戦を仕掛け,初回に早くも水本がバッティングで左目上をカット。しかし実力差は明らかで,3回開始早々,打ち合いの中で水本が右ストレートを叩き込み,川原がダウン。ノーカウントで試合終了。川原陣営もすぐにタオルを投げ込んでいた。

★「第6試合,Sバンタム級8回戦」上谷雄太(井岡)○負傷判定6回1分16秒3−0●西正隼(正拳)
今年6月22日の前戦で引き分けに終わり,デビュー以来の連勝が「6」でストップした上谷が強豪との対戦も豊富な西を迎えた。機動力で上回る上谷は2回に左フックでダウンを奪う。そのまま決着かと思われたが,3回にバッティングで上谷が左目上を大きくカット。負傷ドローは避けたいと仕掛けるが,打ち合いでは優位に立てず出血が酷くなる。6回にこの試合三度目のドクターチェックで試合終了。負傷判定ではダウンの貯金もあり上谷が1,2,3差で支持されたが,あのまま続行していたら不安を覚える雲行きだった。

★「第7試合,Sフライ級8回戦」橋詰知明(井岡)○TKO6回45秒●内海俊忠(姫路木下)
いつの間にかランカー(日本Sバンタム級12位)になっていた橋詰が危険なパンチャー・内海を迎える注目の一戦。しかしなぜSフライウェイトなんだ?
新人王戦時代は怖いもの知らずの勢いだけで打ち勝ってきた橋詰だが,2度の敗北を経て,慎重な試合運びをすることも覚えた。左フックの当たる距離では硬質のパンチを連発で飛ばすことのできる内海をシャープな左ジャブで牽制しながら,打ち合いの距離に入る寸前に右ストレートを突き刺す。フットワークも見事で内海は文字通り空転。橋詰は5回には被弾後に猛然と打ち返す生来の気の強さも見せ,6回開始直後にいきなりの右でダウンを奪う。再開後,打ち合いで右ストレートを重ねてレフェリーストップを呼びこんだ。ランカーの肩書に説得力を覚える橋詰の完勝。

★「第8試合,50・0キロ契約10回戦」宮崎亮(井岡)○負傷判定9回51秒3−0●山田卓哉(真正)
1回…宮崎左目上(バッティング)
2回…山田左目尻(ヒッティング)
   宮崎左前頭部(バッティング)
3回…山田左頬(ヒッティング)
6回…山田右目尻(ヒッティング)
と,毎回のように両者がカットを重ねる流血戦。バッティングとホールディングが繰り返される乱戦だった。
長谷川穂積,高山勝成とともに真正ジム立ち上げ時からのメンバーである“真正第三の男”ヤマタクだが,軽量級では致命的といえるほどスピードがない。特にハンドスピードがなく,相打ちのタイミングで打ち負ける。2回後半あたりからダメージで下半身が不安定になり,5回には右を引っかけられた時にバランスを崩し,ダウンを取られる。練習量は豊富なヤマタクはローペースながらスタミナが続き,疲れから手数の減った宮崎を追うが,流れを変えるまでには至らない。8回には止血に手間取ったのか宮崎がゴングが鳴ってからもコーナーからしばらく出てこなかったが,お咎めはなかった。宮崎もスタミナ難だが,ヤマタクの出血はそれ以上に酷く,ついに9回にドクターストップ。
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宮崎のTKO勝ちかと思ったら,ストップの理由は「偶然のバッティングによる山田の額の腫れ」とのことで負傷判定に。90−80,90−82,87−84の大差で宮崎がOPBFミニマム級12位,日本Lフライ級11位のランクを守った。
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真正ジムは昨年10月の設立以来,所属男子選手は22戦(21勝1分け)無敗を続けていたが,この「不敗神話」もついに崩壊した。

そういうわけで,“88年カルテット”は内容に差があったが,4人とも勝利。セミファイナルの橋詰は出色の出来。快進撃を続けていた新人時代よりも遥かに将来を期待できるボクサーになっている。
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by the_leaping_hare | 2008-11-24 23:59 | Box
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