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山猿

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聖夜の審判

「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(2008年12月23日・両国国技館)
王者:内藤大助(宮田)○TKO11回1分11秒●同級13位:山口真吾(渡嘉敷)
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防御なんていう意識は控室に置いてきたとばかりに初回から激しい殴り合いが続いた。一見,技術抜きの根性勝負のように見える乱戦の中にも王者・内藤大助の基本技術の高さは健在でした。

勝利への執念ということに差はなくとも,パンチ力,スピード,フットワーク,スタミナ,そして駆け引き,あらゆる要素で僅かなりとも上回った王者の完勝でした。
崔堯三(韓国),坂田健史(協栄)と二度世界挑戦に失敗している山口は,気持ちの強さを押し出した好戦的な選手。今年3月の坂田への挑戦では3回に左ジャブに見事なタイミングで右クロスを合わせてダウンを奪ったが,以降,持ち直した坂田のラッシングパワーに押されて判定で完敗。内藤陣営の亀田興毅(亀田)との交渉決裂により棚ぼたで舞い込んだ今回の挑戦でも序盤に得意の右クロスを入れて主導権を握る展開に持ち込みたかっただろう。

初回から打ち合う。どちらも右フックの大振りを平然と繰り返し,KO狙いの意図が見える。
このような展開で進んだ場合,有利なのはどちらか。打ち合いを望む挑戦者の展開か。否,アウトサイドからの大振りを“見せ”に使いながらインサイドに硬質の右ストレートを打ち込める内藤の展開だと思った。それ以上に,一方的な展開に陥った理由は,打ち合いの続く試合でありながら,山口にとって打ち合いの距離になっていなかったからだ。身長で6・4センチ,リーチで10センチ勝る内藤は,左リードを効果的に使い,山口の接近を許さず,時にサイドへのステップで往なし,ペースを支配し続けた。相手の左の引き際に伸ばす山口の右クロスは,内藤の目の前で空を切り続けた。あまりに距離が遠すぎたのだ。
まるで突破口の見えない試合の中でも倒されるリスクを負いながら前進を止めず,9回にボディ攻めを敢行した山口の気概は見事だった。しかし気持ちだけでは限界がある。11回,内藤は右フックを見せておきながらコンパクトな左フックを痛打。山口が棒立ちになる。そこで右フックの打ち下ろしを2発追撃。耐え続けてきた挑戦者がゆっくりと前方に崩れた。内藤の前戦・清水智信戦とまったく同じダウンシーン。山口はふらつきながらも立ち上がり試合は続行となった。左右乱打を浴びながらも打ち返した姿はこの一戦に人生を賭ける姿そのものだったが,1分11秒,ついに力尽き,動きが止まったところで,福地勇治主審に救われた。

山口真吾というファクターを通して比較すれば,やはり坂田よりも内藤の方が完成度は高い。今後は安易なマッチメイクに走らず,有限なその才能を海外の強豪にぶつけてほしい。
しかし,TBSよ。2時間枠を設けながら何故,アンダーカードの日本フライ級王座統一戦を放送しないんだ。
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by the_leaping_hare | 2008-12-24 03:27 | Box
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