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山猿

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The Russian Giant

e0042386_1665973.jpg「WBA世界ヘビー級タイトルマッチ」(2008年12月20日・ハーレンスタディオン)
王者:ニコライ・ワルーエフ(ロシア)○判定2−0●同級12位:イベンダー・ホリフィールド(米国)

旧ソ連圏出身のボクサーに覇権が移ってからというものヘビー級が実におもしろくない。
クリチコ兄弟など破壊力のあるワンパンチKOなども見せてくれてはいるが,如何せん華もなければ,スリリングさもない。マイク・タイソンという嵐が過ぎ,ホリフィールドやレノックス・ルイスが見せた熱さは今のヘビー級のリングには存在しない。

このワルーエフも現代ヘビー級の象徴ともいえる選手。史上最長身,史上最重量の体格を誇りながらも打ち合いには応じず,なんとなく圧勝する。8月30日にベルリン,マックス・シュメリング・ホールでジョン・ルイス(米国)との決定戦を判定で制し,返り咲いた王座の初防衛戦には46歳の老兵を選択した。
計量時のウェイトは,ワルーエフが310ポンド4分の3,ホリフィールドが214ポンド4分の1。体重差40キロ以上。

しかしこの試合,やはりホリフィールドの負けになるのか。
おれの採点では用意した戦略を遂行したホリフィールドの116−112の勝利となるのだが,王者を崩したとは言い難いので公式ジャッジを理解できなくもない。結局のところ46歳の“生きる伝説”よりも35歳の“大巨人”の将来性にポイントが流れた結果か。

大人と子供というほどの体格差のある戦いはホリフィールドのペースで始まる。ワルーエフのリードパンチを外せる遠い距離に身を置き,ゆっくりとしたペースながら右へ左へとフットワークを止めずリズムを保つ。ワルーエフといえば左ジャブをダブルで打つ,もしくは相手の入り際に右アッパーを合わせようとするだけ。それもホリフィールドのブロッキングやステップインに封じられ,効果は少ない。流れを変えようと打ち合いを挑むのでもなく淡々とラウンドは進んだ。
同じ展開ながらも,7回以降,左を当てる場面が増えたワルーエフが多少挽回した印象はあるが,どちらも決定的なダメージを負うことなく12ラウンズを終えた。

ジャッジは4,1,0差の2−0で王者の防衛を支持。
ワルーエフのスタイルを現在,そして未来のヘビー級の主流というのなら,それはあまりに退屈だ。両手を挙げる勝者に容赦のないブーイングを飛ばしたチューリヒの観客に賛同する。
だからといって,この試合,ホリフィールドが勝ち名乗りを受け,史上最年長となる46歳2ヶ月での戴冠を果たしていたとしても,かつてジョージ・フォアマンがホリフィールドに挑み敗れた時,マイケル・モーラに再挑戦し奇跡を起こした時のような感動は味わえなかったと思う。それは主役不在の現在のヘビー級においてもホリフィールドのカムバックの必要性を感じないからだ。実にヘビー級がおもしろくない。
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by the_leaping_hare | 2009-01-13 17:27 | Box
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