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山猿

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Pride of Japan

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「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(2009年3月12日@神戸ワールド記念ホール)
王者:長谷川穂積(真正)○TKO1回2分37秒●同級1位:ブシ・マリンガ(南アフリカ)

「マリンガ、クリンチや!耐えろ!」
ストップ直前、指名挑戦者に同情の声が飛ぶほどの最強王者の圧勝でした。

1.2キロアンダーというウェイトから判断しても挑戦者の調整失敗は明らかでしたが、それにしてもの結果です。開始ゴングとともに始まった右ジャブの突き合いではリーチで19センチも上回るマリンガに分があるようにも思えましたが、僅か1分でその力量を見切ったのか、長谷川は最小限の上体の動きでジャブを掻い潜ると左、右とボディ連打を見せておいて顔面へ左ストレート一閃。対応できなかったマリンガは後方に吹っ飛び最初のダウン。「足が揃っただけでダメージはないと思った」と王者は振り返りますが、待ち焦がれた世界初挑戦のファーストラウンドでまったく反応できないパンチを浴びて倒れた挑戦者の心理は如何に。このダウンで勝負は決したと思います。
長谷川は立ち上がったマリンガをテンプルへの左フックでぐらつかせると一気のラッシュで二度目のダウンを奪う。録画した映像をスロー再生してみましたが、約7秒間に28発のパンチを放っています。練習でこれ以上のことをしていなければとても繰り出すことのできない攻撃。恐ろしいものを見た感じです。
再開後、マリンガも必死に耐えますが、劣勢に立たされた中での戦いを経験したことがないのかクリンチで長谷川の猛攻を遮断することができない。フィニッシュは右を打った直後に、相手の右越しに放った左クロス。おれは青コーナー下のリングサイドで見ていましたが、挑戦者は完全に目の力を失い、左膝からゆっくりとリングに沈みました。フリーノックダウン制のWBCルールのため、三度目のダウン直後にローレンス・コール主審がノーカウントでストップしたとの裁定で、長谷川が初回2分37秒TKO勝ち。8度目の防衛に成功しました。

指名挑戦者をまるで相手にせず、電撃の157秒殺。しかも三度のダウンがすべて異なる倒し方という、もう“神業”としか言いようのない勝利。2000年代、日本ボクシング界における最高級のノックアウト劇であり、まだ3月ですが、今年度の年間最高試合を見たと決定したいと思います。
この試合の結果を受けたWBCバンタム級ランキングは1位にシンピウェ・ベチェカ(南アフリカ)が昇進。もはやランカーを見渡しても2位のサーシャ・バクティン(沖縄WR/ロシア)以外、まともに勝負できる相手が見当たりません。
個人的には具志堅用高氏の13連続防衛の日本記録を更新してほしいところですが、本人が118ポンドではハイパフォーマンスを発揮できないというのであれば、より手応えのある相手を求めて階級アップすることも理解できます。

しかしダウンを奪った後、まるで喜びもせず、無表情でニュートラルコーナーに向かう長谷川の姿は、「おまえなんか相手ちゃうで」と言い切っているような渡辺二郎被告の現役時代のようでかっこいいですね。粟生隆寛選手にはボクシング技術以外でも、ダウンを奪った直後の振る舞い、また「君が代」を聞く姿勢などでも尊敬する先輩王者を見習ってほしいものです。
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by the_leaping_hare | 2009-03-15 22:12 | Box
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