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山猿

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プロボクサー辰吉丈一郎

TBS「キミハ・ブレイク」での辰吉丈一郎完全密着ドキュメントを見ました。
プロボクサーであり続ける辰吉の生き様は正視することすら辛く、切ないものがありました。「チャンピオンになればいい。それでいい。あとはもう何もいらん」という言葉とはもはやまったく別の場所に向かっているようにしか思えません。

倫理観は抜きにして現実を映し出すという意味においては番組自体は良かった。時に心に響くような言葉の重みが辰吉にはありますね。辰吉のことをあまり知らずに見たのであれば、泣けて仕方なかったかもしれません。しかし、辰吉丈一郎というボクサーが放った輝きに一瞬でも奮えた者からすれば、その残像とリングの中での現実との差にいたたまれなさを覚えます。
そして、何よりおれはボクシングファンです。「死」と隣り合わせにある競技だからこそ持ち併せる尊さ、限られた人間がその人生の一瞬の瞬きに見せる美しさを体現できるボクサーに、もはや辰吉はありません。いくら強靭な精神力を誇ろうと、バンタム級のリミットを保つだけの38歳の肉体には不可能な世界なのです。

激闘と栄光の代償、けっして巻き戻すことのできない時の重み。本当に体が心配です。電撃のようなスピードは失せ、奇蹟のようなバランスは崩れ、相手を沈め続けたパンチは別人のように弱々しく、驚異的な打たれ強さは完全に消えてしまいました。追い込んだ練習といっても、現役のトップボクサー、そして世界王者当時の辰吉がやっていたような本当に鬼気迫るものとは比べられるものでありません。
復帰第二戦となるタイ国Sバンタム級1位サーカイ・ジョッキージム(タイ)戦は思った以上にカットされることなく放送されました。VTRの挿入、後付けの実況がなければさらに良かった。この映像こそ辰吉本人に一番見てほしい。直視してほしいと思います。
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鬼塚氏も辰吉について触れていますね。
「間違いなく戦う事に命をかけるだけの価値が見出だせれば全て捨てても挑んで行くでしょう」
その足元にも及ばない小さな世界の中で生きているおれにも、近づきたいと思う勇気は確かにありました。この先、ジョーはどこに向かうのでしょう。どんな決断を下すのでしょう。
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by the_leaping_hare | 2009-03-18 17:00 | Box
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