時事通信社「時事ドットコム」より
「KO負け有力ボクサー死亡」
日本ボクシングコミッション(JBC)は24日、東京・後楽園ホールで21日に行われた日本ミニマム級王座決定戦でKO負けした辻昌建選手(30)=帝拳ジム所属=が死去した、と発表した。同選手は試合後に急性硬膜下血腫と診断され、開頭手術を受けていた。JBCによると、プロボクサーが国内試合の事故で死亡するのは、1952年のJBC発足以来35人目。
同選手の通算成績は12勝(3KO)2敗2分けで、最終ランキングは日本ミニマム級1位だった。(2009/03/24-16:28)
言いたいことはいろいろとありますが、現在の日本ボクシング界において起こるべくして起こった事故であることだけは確かでしょう。誰かを責めても、いくら悔やんでも、辻選手はもう帰ってきません。この残酷な事故を二度と繰り返さないようにするため、ファンを含めたあらゆるボクシングに関わる人が意識を改める必要があります。
近年、リング禍はタイトルマッチなど上位レベルの試合で起こる割合が高くなっています。決して試合を諦めない。命を懸けても勝利を目指す。肉体の限界を超えても倒れることを拒否する精神の持ち主が不幸な事故の犠牲者となっているのです。
勇気あるボクサーを救うことができるのはボクサー本人ではなく、レフェリー、セコンド、そしてファンだということを今一度、見つめ直す必要がある。我々はリングの中に殺し合いを見ているわけではありません。
ボクシングに携わるすべての人々が辻選手の回復を心から祈る中、当事者でもある所属ジムの帝拳ジムが理由も記さずに公式ホームページの更新を停止することを一方的に発表し、その後、辻選手が亡くなった事実さえも公表しないというのはどういうつもりか。唯一、所属選手の東洋太平洋ウェルター級王者・佐々木基樹だけが自身のHPで同僚を亡くした無念を訴えています。帝拳ジムの無責任な姿勢には憤りを覚えます。