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山猿

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カテゴリ:Movie( 43 )

アキレスと亀

e0042386_22561018.jpg「アキレスと亀」(2008 日本)監督,脚本,編集:北野武 出演:ビートたけし,樋口可南子,柳憂怜,麻生久美子,吉岡澪皇

北野武監督14作目の長編映画。「BOTHER」以降の北野映画はどれも好きではないのだが,近場の映画館では今週末で終わりだったので,まだ観ていない「ポニョ」よりもこっちを優先させた。18時過ぎからの一日一回上映でも,客は5人くらい。毎度のことだが,ヒットしているようには思えない。

前作「監督・ばんざい!」は「みんな〜やってるか!」同様の確信犯的な無茶苦茶なコメディと観る前から承知していたが,夫婦愛を謳った今回もまたタチの悪いコメディだとは知らなかったよ。
冒頭,ゼノンの「アキレスと亀」のパラドックスがアニメで提示される。つまりは作中の何をアキレスと亀に喩えているのかという話に尽きる。
裕福な家庭に育ち,画を描くことが大好きな真知寿が主人公。少年,青年,中年時代が描かれ,それぞれ吉岡澪皇,柳憂怜(柳ユーレイ),たけしが演じる。実家が没落し,頼る身寄りもなく天涯孤独の身となり,芸術が人生のすべてとなる青年期に出会う女神のような女性に麻生久美子。樋口可南子演じる中年期では妻となっており,芸術に取り憑かれた狂人となった夫を献身的に支える。
劇中のアクセントとなるアート作品はたけし本人の手によるもので「HANA-BI」と同様の手法。北野映画特有のシュールな笑いが方々に挿入され,監督本人の死生観が全面に漂ってはいるが,これらもやや間延びしていて「ソナチネ」や「キッズ・リターン」に比べるとキレもリズムも随分悪い。
新鮮味はなく,泣けないのはもちろん,いまいち笑えなかった。
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by the_leaping_hare | 2008-10-23 23:56 | Movie

ハプニング

e0042386_15122814.jpg『ハプニング』(2008 米国) 監督,脚本:M・ナイト・シャマラン

M・ナイト・シャマランの最新作。『シックス・センス』を期待する観客と映画会社を裏切り続け,監督生命の危機も囁かれるシャマランですが,今作も一種のトンデモ映画でした。おれは『サイン』や『レディ・イン・ザ・ウォーター』も別に嫌いではない人間なので,91分というほどよい上映時間も重なって結構楽しめました。もっとも,本当にすばらしかったのは予告編と冒頭10分というのも事実ですが。

夏のある朝,ニューヨーク,セントラルパークから始まった集団自殺。それはすぐに東海岸一帯に連鎖し,人々は次々と命を絶っていく。フィラデルフィアに住む生物教師・エリオットは,この“ハプニング”から逃れるために妻や同僚とともに行動を起こす。

これが冒頭10分間に起こる出来事。テロか,ウィルスか?ヒッチコックの『鳥』を思わせる不条理終末劇。シャマランは世界滅亡の危機を煽り,もっともらしい説明や思わせぶりな人物を提示しながら,意表をついたオチを待つ観客を見事なまでに裏切って映画を終える。結論は冒頭で示しており,「愛は地球を救う」という日テレのキャチフレーズのようなものまで見せられては「バカにしとんのか」と頭にくるのも当然でしょう。近年の興行的失敗で背水の陣とも言われる中で,確信犯的にふざけた映画を撮るシャマランが嫌いではありません。『20世紀少年』の監督をしてもらいたかったくらいです。
マーク・ウォールバーグやズーイー・デシャネルらB級映画的雰囲気を醸し出すキャストも適役。『シックス・センス』を期待してもいけませんし,深刻に考えながら観てはいけません。突っ込みどころ満載の映画です。
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by the_leaping_hare | 2008-09-11 17:26 | Movie

クライマーズ・ハイ

e0042386_204770.jpg『クライマーズ・ハイ』(2008 日本)監督:原田眞人 原作:横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

1985年8月12日,羽田発伊丹行きの日本航空123便が群馬県上野村に墜落した日航機墜落事故を当時,上毛新聞の記者として取材した横山秀夫が自身の体験をベースに書いた同名小説の映画版。なお,2005年にはNHKでドラマ化されているが,おれは未見。
事故の詳細記録や検証ものではなく,突如舞い込んだ大事故に対して修羅場と化す架空の地方新聞社・北関東新聞社を舞台に,携帯電話もパソコンもない,今より遥かに新聞に存在価値があった時代に生きた記者たちの己の仕事に対する誇りと,世界を揺るがす事象に遭遇し翻弄される人間模様が展開される。03年の刊行当時に原作を読んだおれは,会社員としての日々が浅かったこともあり,いたく感動し,組織に属して働くことの喜びや自分の会社に対するささやかな希望みたいなものも見出してみたりもした。

そこで今回の映画化作品だが,監督が原田眞人ということもあり,『金融腐食列島(呪縛)』や『突入せよ!あさま山荘事件』に連なる日本の組織社会ものと考えていい。前二作と同じように男ばかりが出てきて喧々囂々言い合う映画である。大まかな枠組としては『金融腐食列島』の都市銀行が地方新聞社に舞台を変え,役所広司が堤真一,椎名桔平が堺雅人,仲代達矢が山﨑努になったということですわ。
原作以上のものはそもそも期待していなかったので,おもしろく観ることができました。総じて好演といえる役者の中にあって,得に最高なのが編集局次長役の螢雪次朗と社会部長役の遠藤憲一の編集局ナンバー2&3コンビ。北関東新聞社の歴史の中で最大の事件であった「大久保清連続殺人事件」,「連合赤軍事件」を取材したというプライドだけで地位を掴み,生き残ってきた編集局幹部をこのふたりが気合を入れてまじめに演じる。自分たちの“戦歴”を上回る大事故を取材する部下のことがおもしろくなく,時に露骨に,時に陰湿に嫌がらせをする上司を妙なテンションで熱演。遠藤憲一みたいなのが部長では会社が潰れるだろうがとかいう指摘はともかく,とにかく笑えるし,締めるところはしっかり締めてきます。あと,舞台が前橋なので政治部デスク役の田口トモロヲの最大の見せ場で,競輪の話題が出る。紅一点,尾野真千子はおれの嫌いな河瀬直美の映画によく出てくる役者ですが,あまり印象に残らないし,女性記者を登場させる必要性も感じない。
それで,おれがこの映画の何が不満なのかというと,原作を捩じ曲げてまで「父と息子」というテーマを強調していること。原作には親子関係以上に,
Q:「なぜ山に登るのか?」
A:「下りるために登るんさ」
という重要なテーマがあったはずなのに,これはスルーして陳腐なエピソードを挿入することに納得いかなかった。あと,「セクハラ」って言葉はさすがに当時はないですよね。

当時の自分を振り返ってみると,1985年8月当時,小学生だったおれは,この事故の起きる数日前に母親とともに飛行機に乗り,東京へ行った。生まれて初めて乗った飛行機は今は亡き東亜国内航空。東京ディズニーランド,つくば科学万博,上野動物園でのパンダ,多摩動物公園でのコアラ,当時はまだ阪神ファンだったので後楽園球場での巨人×阪神戦などを観てまわる旅行の最中にこの事故が起きた。仕事の関係で遅れて合流する父親が事故翌日に飛行機で上京してくるのを待つのに子供ながらに不吉に思い,帰りの飛行機にも乗りたくなかった憶えがある。それだけに日航ジャンボ機墜落事故はおれの中ではかなり初期の“社会的記憶”となっています。その影響ではないですが,今でも東京・大阪間の空路は使いませんね。
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by the_leaping_hare | 2008-08-08 03:45 | Movie

平愛梨

「20世紀少年」のカンナ役がようやく発表されました。早々と東スポが報じていた通りに平愛梨さんでしたね。これまでのイメージというものがあまりないし,写真を見る限りかっこ良いので意外といいキャスティングなのかなと思ったりもします。
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by the_leaping_hare | 2008-08-04 20:41 | Movie

ノルウェイの森

2009年2月クランクイン,2010年公開予定で,初めて映画化されるとのことです。監督は『青いパパイヤの香り』,『シクロ』のトラン・アン・ユン。監督は日本ロケ,日本人キャストを希望しているとのことですが,個人的にはホーチミンかパリを舞台に,外国人キャストで映画化した方が原作のイメージを損なわないと思います。
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by the_leaping_hare | 2008-07-31 03:19 | Movie

僕の彼女はサイボーグ

e0042386_22403919.jpg『僕の彼女はサイボーグ』(2008 日本)監督:クァク・ジェヨン

この映画を観ようと思ったのは,おれの家の近所で撮影をしていたからというただそれだけの理由。おれは仕事から帰宅するのが夜中の1時頃が多いんだけど,会社からの帰り道で撮影現場に出くわしたことがあります。そんなわけで平日の朝っぱらから観てきましたよ。
しかし劇中の主要な舞台設定は2007および2008年の東京ということにされていますが,これだけ神戸を前面に押し出している作品で,●●で街を破壊してしまったのには驚いたね。
大学のシーンは神戸大学で撮影されたと聞いていたのですが,中庭とか屋外は関学でした。教室や学食が神戸大だそうです。一時期,神戸大のほぼ敷地内というようなところに住んでいたおれとしては,最寄りの店は神戸大の生協,最寄りの飲食店は学食という非常に不便な生活を送っていた当時を思い出してしまいました。

監督は『猟奇的な彼女』,『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジョエン。綾瀬はるかがサイボーグの役ということは知っていましたが,正確にはサイボーグではなくアンドロイドでした。やや仰々しい韓国風のラブコメを覚悟していたところ,早々とタイムトラベルがあり,「おお!『ターミネーター2』か!」と俄然気合を入れて注視したのですが,泣ける展開には一向にならず,結局はドラえもんだった。
てゆうか,だらだらの展開になってきた中盤以降は綾瀬はるかの巨乳ばかり見ていたので,あまり話に付いていってません。いやいや,サイボーグもビックリのたいへん立派なものでして,朝からたいそう刺激が強すぎました。
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by the_leaping_hare | 2008-07-05 22:37 | Movie

ロッキー・ステップ

「ロッキー」一挙放送,ユーロ決勝,ディアス×パッキャオと見終わりました。WOWOW見過ぎでかなり疲れています。
やっぱり「ロッキー」は一作目が一番好きですね。サントラは「ロッキー4/炎の友情」が最高ですが。初めてニューヨーク旅行をした際に,ちょいと電車に乗ってフィラデルフィアを訪れたことを思い出します。目的はもちろんフィラデルフィア美術館。正面階段「ロッキー・ステップ」を駆け上がっていたら,通りがかりの地元のおじいさんが写真を撮ってくれました。ちゃんとガッツポーズもしました。階段を上りきったところにはロッキーの足形がありました。
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by the_leaping_hare | 2008-07-01 11:52 | Movie

第1章,降臨

とりあえず,ともだちメンバー登録をしてみました。
6月には埼玉・熊谷市内でロケが行われるようですね。カンナ役はいつ発表されるのでしょうか。東スポにはすでに名前が出ていましたが,知らない人でしたなあ。堀北真希を本命視していたおれの予想はハズレのようです。まあ,監督が監督だけに多大な期待は持てませんが。
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by the_leaping_hare | 2008-05-31 13:23 | Movie

Plainview

e0042386_23212568.jpg『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007米国) 監督:ポール・トーマス・アンダーソン 主演:ダニエル・デイ・ルイス 撮影:ロバート・エルスウィット 音楽:ジョニー・グリーンウッド

ある石油屋の一代記を通じて人間の欲望と孤独を禍々しいまでに描いた力作。158分という長尺であり,適度にエピソードを運んでくる脇役の存在に必要以上に気を取られていると訳のわからない状態になりかねないので,とにかくダニエル・デイ・ルイス演じる主人公の石油屋ダニエル・プレインヴューに目を向けたい。

前作『パンチドランク・ラブ』は最悪だったポール・トーマス・アンダーソンが,これまでになく直球主体に力強く物語を描き,故ロバート・アルトマン監督に献辞を捧げている。その演出もさることながら,ダニエル・デイ・ルイスの存在なしには語れない作品。冒頭,1898年のカリフォルニア。金脈を探していた採掘者が石油を掘りあて,野心に火がつく。胡散臭い山師が石油という魔物に取り憑かれ,冷酷な実業家として成り上がる姿を生々しく演じている。
かつて夢を描いた人間がいざ夢を実現させた時,達成感こそあれ空虚な現実に包まれて孤独を覚えるというのも人間のひとつの宿命であろう。他人を平気で蹴落として成功への道を駆け上がるプレインヴューも富と名誉を掴んだ時,愛に飢えた状況に陥る。しかしプレインヴュー本人にそのような自覚は一切ない。だから彼は,他人や宗教を利用することはあっても,信じることは絶対にない。常に一人の人間だけをビジネスパートナーとして自分のそばに置き,目的を果たすためには手段は問わず,知人を罵り,切り捨てる。首尾一貫して変わらない人生の価値観においては反省などするわけもなく,孤独を感じる理由もない。こうしたプレインヴューの生き方に現代アメリカを重ねることは当然できる。最終的に彼は,神の名を語る偽善的な宣教師を通して神にも戦いを挑む。

そこにブラッドが流れる。血縁というものを手に入れることのできなかった男の目の前に広がる血。夢見る者の成り上がり物語でもなければ,欲に目がくらんだ者に罰が下される物語でもない。痛快かつ不気味。レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる確信犯的な不協和音もこの映画にはよく合っている。
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by the_leaping_hare | 2008-05-30 06:00 | Movie

少林少女

e0042386_13105679.jpg『少林少女』(2008 日本) 監督:本広克行 製作:亀山千広
エグゼクティブプロデューサーに周星馳(チャウ・シンチー)の名前が記されてはいるが,『少林サッカー』や『カンフーハッスル』を期待してはいけない。これはカンフー・アクションものではなく,どこにでもあるフジテレビの軽薄なドラマ。脚本も演出も欠陥だらけ。
中国・少林拳武術学校での三千日の修行を終えた主人公・柴咲コウが帰国後,伊豆の大学でラクロスを始める話ですが,物語が進行して登場人物が増えるとともにストーリーは破綻。そもそも主人公が選ばれし者である説明もなければ,悪役の目的も不明なまま。結末に至っては収拾がつかなくなった話をそのまま放棄するという酷さ。岡村隆史を筆頭にストーリーとは無関係に笑いをとる場面が乱発するが,これも中途半端で単にストーリーを間延びさせているに過ぎない。
柴咲コウは構えこそ悪くないが,碌なアクション監督がいないためもったいないことにアクションシーンにキレがなく,健闘と讃えるまでには達していない。個人的には柴咲コウが練習中に着ていた黄色のジャージが欲しいです。
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by the_leaping_hare | 2008-05-17 14:08 | Movie