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山猿

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カテゴリ:Box( 415 )

Hold Your Last Chance

NHKで放送された「SONGS 長渕剛 part1」を見ました。
長渕剛が元WBA2階級王者・戸高秀樹氏と宮崎・サンビーチ一ツ葉を訪れ、2人の交流を描いた構成で、なかなかおもしろかったです。

ハイライトは03年10月4日、両国国技館。
WBAで4階級を制覇するレオ・ガメス(ベネズエラ)に7回KOで敗れ、WBA世界Sフライ級王座を失ってから3年が経過。「Star Wars」と銘打たれたトリプルタイトルマッチの先陣を切ってガメスとの再戦となる「WBA世界バンタム級暫定王座決定戦」のリングに向かった戸高の入場曲は、この試合のために長渕がレコーディングした弾き語りの“戸高バージョン”の「HOLD YOUR LAST CHANCE」。Sフライ級時代の2pac「Changes」も良かったですが、この入場シーンも印象に残っています。
試合は真っ向からの打撃戦を2対1の判定で戸高が制し、見事2階級制覇を達成。会場で観戦しましたが、顎を割られた因縁の相手に一歩も退かず打ち合う戸高らしい気持ちの入ったファイトでした。試合後には長渕がリングに上がり、勝者を祝福。日テレのアナウンサーに唐突に「1曲歌ってください」と振られてやや戸惑いながらも、歌ではなく「バンザイ」の音頭をとったのでした。

なお、残る2つの世界戦では、本田秀伸(Gツダ)が23戦全勝全KOのWBA世界Sフライ級王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)に挑み、抜群のディフェンス技術を見せますが、攻撃がさっぱりでポイントは取れず。ムニョスのパーフェクト・レコードは止めたものの判定負け。
メインではWBC世界バンタム級王者ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)に西岡利晃(帝拳)が3度目の挑戦。左足アキレス腱断裂後、初の世界戦となった西岡は以前のようなキレがなく完敗したように思いましたが、オフィシャルの判定では1対1のドローでした。
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by the_leaping_hare | 2010-11-20 10:14 | Box

輪島功一不死鳥伝説

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11月3日にフジテレビから発売されたDVD「輪島功一 不死鳥伝説」を購入しました。
収録試合は以下の通り。

◆「世界Jミドル級タイトルマッチ」(1974年6月4日@日大講堂)
王者:輪島功一(三迫)●KO15回1分57秒○同級5位:オスカー・アルバラード(米国)
◆「世界Jミドル級タイトルマッチ」(1975年1月21日@日大講堂)
王者:オスカー・アルバラード(米国)●判定○同級4位:輪島功一(三迫)
◆「WBA世界Jミドル級タイトルマッチ」(1975年6月7日@北九州市総合体育館)
王者:輪島功一(三迫)●KO7回2分4秒○同級1位:柳済斗(韓国)
◆「WBA世界Jミドル級タイトルマッチ」(1976年2月17日@日大講堂)
王者:柳済斗(韓国)●KO15回1分47秒○同級9位:輪島功一(三迫)

輪島氏のキャリアのハイライトともいえる2度に及ぶリベンジ劇。“ショットガン”アルバラード、柳済斗との世界戦4連戦がフルラウンド収録されています。2枚組。
もちろん全試合見たことがあり、映像も持っていますが、DVD化されたのが初めてなのと、定価よりだいぶ値引きされていたので買ってみました。不屈の闘志の炎をかき立てたい時にでも見ようと思います。
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by the_leaping_hare | 2010-11-16 23:21 | Box

パックマン6階級制覇

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「WBC世界Sウェルター級王座決定戦」(2010年11月13日@カウボーイズ・スタジアム)
WBO世界ウェルター級王者:マニー・パッキャオ(比国)○判定●同級1位:アントニオ・マルガリート(メキシコ)

最終回のパッキャオは対戦相手に敬意を払い、敢えて倒しにいかなかったように思えた。“Pac Man”パッキャオが“El Tornado de Tijuana”マルガリートを大差判定で下し、オスカー・デ・ラ・ホーヤ(米国)に次ぐ史上2人目の6階級制覇を達成。

途中、パックマンはボディを効かされて2度ほどピンチに陥ったが、相手の主戦場である打撃戦に応じてこの窮地を正面突破で切り抜ける。10回2分40秒、右フックのカウンターでマルガリートを大きくふらつかせた後の11回、軽いパンチを叩き込み、レフェリーに目線を送り、ストップを促す。ここでTKOを宣告していても、この試合が好試合だったことに変わりない。
“Boxing is not for you know killing each other.”
試合後のリングでこう語った勝者。強者の貫禄とボクシングへのリスペクト。見事な勝利で大記録を打ち立てた。

観衆4万1734人。解説のジョーさんによると、ファイトマネーはパッキャオが2500〜2700万ドル(最低保証1500万+PPV1000〜1200万)、マルガリートが900万ドル(最低保証300万+PPV600万)。
パッキャオが負けるとすれば「コット×マルガリート戦」のコットのパターン、つまり前半優勢に進めるも倒し切れず、マルガリートのタフネスと圧力に屈して乱戦に巻き込まれた末に終盤に沈むという形しかないだろう。しかしコット戦後、モズリーにダウンを奪われてTKO負けしたマルガリートに当時の耐久力があるとは考え難い。パッキャオのデキが余程悪くない限り、一方的に押し切ると思っていた。

5回まではその流れ。確かに、パッキャオとマルガリートには“階級差”が存在した。これは一般に言われる「階級差=パワー差」ではなく、文字通りの「体格差=身長差」。パッキャオはうまい具合にボディも打っていたが、顔面へのパンチ、特に左ストレートはベストの角度と差異が生じる。
それでもかなりのパンチを叩き込んでいたパッキャオ。やはりマルガリートが打たれ強い。この後、さらに驚くことになるのだが、コット戦どころの話ではない。完全に人間離れしたタフネスだった。

右頬を切り、右目は潰れ、大ダメージを負いながらも倒れないマルガリート。6、8回には左ボディからパッキャオを追い込む。しかし打ち勝てない。スピード差が歴然で、しかも動かれる。攻撃の起点が被弾と引き換えの接近時でのボディショットしかない展開では無理もない。
09年1月24日、シェーン・モズリー(米国)の挑戦を受けたステープルズ・センターでの「WBA世界ウェルター級戦」におけるバンテージ不正事件でカリフォルニア州コミッションから1年間のサスペンドを科せられた。復帰後は胸部に和彫りのような刺青を纏い、完全に悪役となってしまったが、リングでは文句なしに勇敢だった。

キャッチウェイトであった点など文句をつけどころがないわけではないが、デ・ラ・ホーヤの6階級達成時よりも感激した。すばらしい試合でした。
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by the_leaping_hare | 2010-11-15 02:16 | Box

WBC super welterweight

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「WBC世界Sウェルター級王座決定戦」(2010年11月13日@カウボーイズ・スタジアム)
WBO世界ウェルター級王者:マニー・パッキャオ(比国)VS同級1位:アントニオ・マルガリート(メキシコ)

パッキャオ144.6ポンド、マルガリート150ポンドで計量パス。パッキャオのこのウェイトはちょっと意外。もうちょい上に合わせてくると思っていました。
この試合、空位のWBC世界Sウェルター級王座が賭けられているわけですが、150lbsのキャッチウェイト。言うまでもなくSウェルター級のリミットは154lbsです。そして実際のパッキャオのウェイトはウェルター級のリミット(147lbs)をも下回るというもの。
パッキャオ陣営とすれば圧倒的有利なスピード勝負に持ち込めば、体格差は問題なしという判断なのでしょう。勝てばデ・ラ・ホーヤ以来、史上2人目となる6階級制覇。その可能性は高いと考えます。
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by the_leaping_hare | 2010-11-14 12:13 | Box

挫折と栄光

なぜか今夏に文庫化された佐瀬稔著「挫折と栄光 世界チャンピオン浜田剛史」を購入しました。
明日はWOWOWでパッキャオVSマルガリートの生中継ですな。休みをとったのでこの本も読もうと思います。
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by the_leaping_hare | 2010-11-13 16:25 | Box

今がチャンス!世界の切符をつかめ!

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「千里馬スーパーファイト Vol.34」(2010年11月7日@神戸サンボーホール)
◆ミニマム級4回戦 貴島宗仁(千里馬神戸)△引き分け0−1△清水健太(仲里ATSUMI)
◆61キロ契約4回戦 村田和也(千里馬神戸)○判定2−0●まるこめまさし(奈良)
◆58キロ契約6回戦 王田尚史(千里馬神戸)○判定3−0●獅子丸崇也(六島)
◆53キロ契約6回戦 吉原涼人(尼崎)●TKO2回1分29秒○青木一平(六島)
◆60キロ契約8回戦 武本康樹(千里馬神戸)○TKO3回終了●伊藤康隆(中日)
◆117ポンド契約8回戦 帝里木下(千里馬神戸)○TKO4回1分49秒●ジロ・メルリン(比国)
◆バンタム級8回戦 ゼロフィット・ジェロッピ瑞山(千里馬神戸)○判定3−0●上谷雄太(井岡)
◆フェザー級8回戦 玉越強平(千里馬神戸)○判定3−0●永田浩司(ウォズ)

今回の千里馬スーパーファイトは珍しくスカイAの収録が入っていた。疑問の残るレフェリングが連発したのでマニアなみなさん、確認してみてください。メイン解説は前WBA世界Sフライ級王者の名城信男選手。
その名城選手だけでなく、ジョマ・ガンボア氏、マルコム・ツニャカオ選手、徳山昌守氏と来場していた歴代世界王者が紹介された。良い趣向だと思います。

第1試合、デビュー戦の貴島は良い右ストレートを打っていたが、打ち合いに弱過ぎる。それでも勝ったと思ったが、判定は0−1ドロー。主催ジムに厳しいジャッジだと思ったら、第2試合では長欠ブランク明けでガス欠の村田にフルマークが付いたりといまいち傾向が掴めない導入部。
6回戦には六島ジム勢が参戦。ふざけた入場の獅子丸だが、ボクシングは正当派で左もフットワークも使える。しかし後半脚が止まり、王田の重いパンチに捕まった。それでも最終回まで打ち合う良い試合だった。この試合の判定はまとも。全試合判定の恐れが出てきたところで昨年の西日本新人王戦準Vの青木が左フックでクリーンノックアウト。
後半の8回戦4試合は「千里馬トップ4」が登場。まずは05年新人王西軍代表同士の対戦となった武本×伊藤。3回に右ストレートを貰った伊藤が大きく後退する。続いて左フックを浴びてダウンするが、足を踏まれたと抗議。そのまま試合は再開されてラウンド終了と思ったら、ゴングと同時に放った武本の右が伊藤の顎にまともに入った。妙な音がしたので折れているのでは。伊藤は続行不能に。ゴングと同時という判断をしていた北村主審はジャッジと協議の結果、武本の3回終了TKO勝ちを宣言。おれもこの判断で良いと思ったが、後味の悪い結末となった。
帝里は偶バツで右目上をカットするなどフィリピンの巧者とはっきりしない展開を続けていたが、5回に右フックをジャストミート。連打でストップに持ち込んだ。
問題のセミ。日本バンタム級7位・ジェロッピに06年高校選抜フェザー級王者・上谷が挑んだ一戦。ジェロッピは空振りが多く不調。5回にジェロッピの右ストレートで上谷が膝を付いたようにも見えたが、普通に流された。最終回、ポイント劣勢の上谷がアタック。終了間際に上谷の前進に圧されたジェロッピが倒れる。宮崎主審はダウンを宣告。カウントが入り、試合は終了。微妙な判定に持ち込まれた。千里馬陣営は「スリップ」だと猛抗議。またしても審判団が協議に入る。協議の結果、ダウンは取り消し、スリップだったとのアナウンス。続いて読み上げられたスコアは78対77、77対76×2と僅差の3−0でジェロッピの勝利。おそらく最終回は上谷の10対9が付いていると思うので、ダウンが取り消されたことで動いたポイントは1ポイント。ダウンがカウントされていれば、結果はドローだっただろう。当然、怒りが収まらないのが井岡陣営。セコンド陣(井岡会長は不在)はリングを降りるとコミッション席に一直線。激しく恫喝していた。
荒れたセミ後のメインは退屈な内容で玉越の判定勝ち。78対75、77対76×2。玉越の動きは冴えなかったが、それでも毎回毎回ノーランカー相手にモチベーションを保ち、確実に勝つあたりは立派でしょう。
なお、配布されたチラシには気の早いことに来年度の千里馬スーパーファイトの予定が記されていた。3月27日、7月3日、11月27日にサンボーホールで開催とのこと。
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by the_leaping_hare | 2010-11-08 23:59 | Box

六島四天王

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「六島四天王」(2010年10月11日@住吉区民センター)
◆バンタム級10回戦 前WBA世界Sフライ級王者:名城信男(六島)○KO3回1分42秒●インドネシアSフライ級4位:イワン・キー(インドネシア)
◆Sバンタム級8回戦 安田幹男(六島)○KO1回1分32秒●ラファエル・パンガリヴァン(インドネシア)
◆116ポンド契約8回戦 向井寛史(六島)○判定3−0●アニス・セウフィン(インドネシア)
◆Sウェルター級8回戦 細川貴之(六島)○TKO7回1分11秒●津田修吾(仲里ATSUMI)

今頃になって「六島四天王」のVTRを見た。
名城、安田、細川、向井と六島ジムのランカー4人が揃い踏み。細川以外の対戦相手をインドネシアから調達してきたが、これが大失敗。試合前から勝敗が見えている上に、安田、向井の相手はウェイトオーバー。それでも名城が出るだけで観戦する価値はあるが。

名城の相手は運動神経の良い素人のような選手だった。このレベルでは名城の相手にはならないが、やはり名城のボクシングはおもしろいし、強いと思わせる内容。WBA世界Sフライ級王者ウーゴ・カサレス(メキシコ)との3戦目はもういいので、別の王者へのチャレンジを見たい。
他3試合はまったく内容のないもの。細川はそれが持ち味なので構わないが、向井の盛り上がりを欠く8回戦はどうにかならんかと思う。
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by the_leaping_hare | 2010-11-05 04:40 | Box

ツニャカオ×本田

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「REAL SPIRITS Vol.11 東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ」(2010年11月2日@神戸文化ホール中ホール)
王者:マルコム・ツニャカオ(真正)○TKO5回1分28秒●同級10位:本田秀伸(Gツダ)

10年前なら世界戦と言われても何の違和感もないカード。しかし現在は2010年である。
サウスポーの技巧派対決。巧みなボディワーク、「防御→攻撃」への連動など重なる部分の多い両者。ともに全盛期のパフォーマンスは出せないにしても、こうもはっきりとした結果が出てしまうのは32歳のツニャカオに対して本田が35歳になってしまったからか。“ディフェンスマスター”の異名をとり日本屈指の防御技術を持つ本田が序盤から打たれ続ける展開。特に左ストレートに続いて返される右フックに反応できず、2回にはすでに効かされていた。
バッティングを嫌うツニャカオに対して頭から突っ込み距離を潰すなど豊富なキャリアで凌いでいたが、5回に右フックで再び効かされ、ロープに詰められての滅多打ち。レフェリーストップと同時に陣営からもタオルが投げ込まれていた。
ツニャカオは早い段階からKOを狙っていた。セレス小林との激闘時ほどのスピード、キレはないにしても、カウンターの精度など国内レベルでは別格。Sフライ級に落とせるのなら、世界戦でも勝負できるのでは。
計6試合、4試合がKO決着。メイン開始前に5分間の休憩が入ったが、18時開始の平日興行としては理想的な進行。前座の8回戦では主催の真正ジムの選手がKO連敗。ギャンブルマッチの橋本は実力差通りで仕方ないにしても、セミの鈴木の敗戦は思ってもみなかったはず。鈴木はえらく出来が悪かった。バランスが最悪で、持ち味のボディブローも連続攻撃も見られずミスブローだらけ。3回に右ストレートを浴びてダウンをすると、形振り構わぬクリンチでも凌げずストップ負け。ほぼ毎試合冒険マッチのツダジムに金星を与えることになった。
レギュラーの六車卓也氏に加えてゲスト解説は日本バンタム級王者・山中慎介。亀海喜寛も会場にいた。長谷川穂積選手も来場していました。悲しみを乗り越えての勝利、願っています。
◆50キロ契約4回戦 魚住和也(JM加古川)●判定0−2○山本裕貴(江見)
◆バンタム級4回戦 川端遼太郎(真正)○TKO1回1分1秒●興津洋介(高砂)
◆バンタム級4回戦 山崎淳(明石)●判定0−3○金裕範(森岡)
◆フェザー級8回戦 脇本雅行(高砂)○TKO2回34秒●橋本和樹(真正)
◆ライト級8回 鈴木悠平(真正)●TKO3回1分55秒○岩下幸右(Gツダ)
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by the_leaping_hare | 2010-11-02 23:59 | Box

THIS IS BOXING

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「WBC世界Sバンタム級タイトルマッチ」(2010年10月24日@両国国技館)
王者:西岡利晃(日本)○判定●同級1位:レンドール・ムンロー(英国)

文句のつけどころがないほどの西岡の完璧な勝利。個人的にはこの内容での12ラウンズは単純なKO決着より爽快だ。同じく国技館の2階席で観た96年4月27日の「WBC世界Jバンタム級戦」川島郭志VSセシリオ・エスピノを思い起こすような指名挑戦者に対する判定完封劇。ジャッジは揃って119対109。おれの採点では西岡のフルマークだが、強いて挑戦者にポイントを振るなら4回だけ。

「God Save the Queen」が奏でられた国技館。JBC管轄下の世界戦(女子は除外)では75年2月27日、東京体育館での「WBC世界ライト級戦」ガッツ石松VSケン・ブキャンナン以来、35年ぶり5度目の「日英対決」。“2 Tone”ムンローを迎えて西岡の5度目の防衛戦。世界戦らしい緊張感が漂う。

西岡は世界戦10試合目にして初めてサウスポーと対戦。戦前に本人が言っていたようにサウスポーは得意なのだろう。何の違和感もなく戦っていた。正当派のサウスポーである西岡は、左構え相手なら右ジャブも活きるし、左ストレートも直線上に打ち抜ける。そう、98年12月29日、大阪市中央体育館での辰吉VSウィラポンのセミファイナルで渡辺純一(楠三好)を2回で沈めたように。

オーソドックスとの対戦ではそれほど目立つことのない右リードの巧さが光った。反時計回りを基本に単発のジャブを当てにいく。ムンローもリードパンチを使える選手なので、ペース争いで劣勢に立たされる経験は少なかっただろうが、右の差し合いで優劣がはっきりした。西岡は前提として相手のパンチを喰らわない距離を保ちながら、リズムをつくり、攻撃に転じる。流れるような攻防一体のボクシング。空間を把握しているので被弾もない。
左ストレートの打ち出しが開き気味で伸びないムンローは中間距離では勝負にならないため、距離を詰めて連打に出るしかないのだが、プレスをかけようにも攻撃の起点を見出せない。ガードは堅いが、打たれる時は防御に徹し、カウンターを取ってこないことも西岡には戦いやすかったはず。初防衛戦でのヘナロ・ガルシア(メキシコ)戦では突進してくる相手をさかんに右手を伸ばしてコントロールしていた西岡だが、今回はジャブとフットワークでファイターを制圧した。

そしてボディ攻撃。
ムンローは顔面のガードが堅く、驚くほどタフだった。回復も早い。距離が詰まることを嫌ったのか、それとも左拳の負傷のためか、西岡は左ストレートはあまり深く打っていなかったが、それでも何度かまともに入っている。ここで西岡が見事なのが、顔面ばかりを狙うのではなく、あの筋肉の鎧のようなボディを迷うことなく打っていったこと。左対左なのでレバーは当たり難いが、相手が右パンチを打つ際に叩き込むストマックへの右アッパー、相手の右肘の外から左フックで狙う側面打ちでダメージを与えた。
あれだけボディを効かされれば普通なら攻め落とされているし、顔面を守っていたガードが落ちているので顎を打ち抜かれてジ・エンドのパターンなのにダウンすら拒んだことはムンローを褒めるしかない。世界1位の意地は十分見せた。

ムンローは戦い方もフェアで、試合後の態度も立派なグッドファイターだった。勝者を讃えてから四方に挨拶してリングを降りる際にコーナーポストを殴っているのが2階席からでもわかったけど、泣いていたんだね。再起を表明しているので、がんばってほしいと思う。入場やコスチュームや応援もかっこよかった。陣営の「ただの王者に負けたのではなく、本物の王者に負けた」というコメントは近年の日本ボクシング界における最高級の賛辞。日本人として誇らしさを覚えるような一戦だった。

WOWOWのマニアックな中継がうまい具合に試合のすばらしさを伝えていたと思う。日テレの低質な実況ではこうはいかない。個人的には西岡の試合は今後もWOWOWで構わないのだが、そうなると一般層の目に触れることがなくなるのでどちらが良いのか難しいところ。
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by the_leaping_hare | 2010-10-30 08:29 | Box

ロマゴン2階級制覇

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「WBA世界Lフライ級暫定王座決定戦」(2010年10月24日@両国国技館)
1位:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)○KO2回1分38秒●同級2位:フランシスコ・ロサス(メキシコ)

当初、WBA世界ミニマム級王者ゴンサレスが正規王者ファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)に挑むタイトルマッチがセットされていたが、レベコが腎臓結石の手術のため欠場。ゴンサレスとロサスによる暫定王座決定戦に変更になったことを主催の帝拳ジムが10月6日に発表した。「WOWFES!」で一番楽しみにしていたカードが消えた。直後、ゴンサレスはミニマム級王座を返上。

両者は昨年2月28日、メキシコ、オアハカのゲラゲッツア劇場で対戦。体調不良で絶不調のゴンサレスが大苦戦の末、116対112、115対113、114対114のマジョリティデシジョンで辛くもWBA世界ミニマム級王座の初防衛に成功している。その試合、放送予定だったWOWOWはなぜか直前にカード変更してお蔵入り。ゴンサレスが持つ“最強”のイメージに傷がつくことを嫌った帝拳あたりの意向かとも勘繰ったりしたが。

しかしながら“Chocolate”ゴンサレスは今回仕上げてきた。
というか、ロサスはまともに打ち合っちゃいかんでしょ。初回のゴンサレスのスリップは右アッパーが当たっているのでダウンを取られてもおかしくないと思ったが、まあ勝敗には関係なかったはず。コンビネーションのスピード、精度が抜群で、その中に組み込まれる左ボディ、左アッパーに対応できない。今回はワンツーの右ストレートもすごく伸び、ロサスに安全圏が存在しなかった。初回から左ボディで効かせて、2回に打ち合いに応じたロサスをコンビネーションの中のアッパーで3度倒してあっさりノックアウト。
とても日本選手の勝てる相手ではない。正規王者のレベコやスーパー王者のジョバンニ・セグラ(メキシコ)との対戦が待たれる。

今年の「WOWFES!」はこの試合から生中継開始。ジミー・レノン・ジュニアもここから登場した。ホルヘ・リナレスVSヘスス・チャベスがセミファイナル。
リナレス、亀海、山中は強豪相手に勝利。どれも終わり方がもうひとつだったが、内容は悪くなかった。特にすばらしいパフォーマンスだったリナレスは「来年、3階級世界チャンピオンやります」などとあのおもしろいインタビューで答えていたが、内山高志(ワタナベ)とやらないのは残念だね。

リングサイドと最安席(2階最後方3列)こそ埋まっていた国技館は、枡席と2階中間席は空席が目立った。全試合後、満足して会場から出たら結構な雨が降っており、濡れた。
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by the_leaping_hare | 2010-10-29 23:59 | Box