「東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ」(2011年2月5日@大阪府立体育館第1競技場)
王者:マルコム・ツニャカオ(真正)○TKO6回2分32秒●WBA世界Sフライ級9位:中広大悟(広島三栄)
本来は前日本同級王者・安田幹男(六島)を挑戦者に、ツニャカオが3度目の防衛戦を行うはずだったが、昨年末に安田が左手を負傷して出場辞退。前日本Sフライ級王者の中広が代役に立てられて試合は決行となった。
ケガをした安田が幸運に思えたほどツニャカオの強さが光った試合。初回からスピーディーな左ストレートを上下に散らし、ロープに詰めては回転の速い連打。中広が意地を見せて6回まで持ち堪えたが、試合はまったくのワンサイド。
6回開始早々、偶然のバッティングで中広が右瞼から大流血。2度のドクターチェックが入ったが、おそらく中広からこのラウンドだけでもやらせてくれとの訴えがあったのだろう。試合は再開。猛然と打っていった中広に対して、ツニャカオがパンチをまとめたところで主審が試合を止めた。本来なら負傷判定になるところだが、採点は一方的なためTKOの形を採った。
元WBC世界フライ級王者のツニャカオは32歳にして急激に復調気配。現在、日本のバンタム級で一番強いだろう。これは現役世界王者の亀田興毅(亀田)を含めての話だ。是非とも亀田との対戦を見たいところだが、当然受けるはずないわね。
第3試合の「Sフライ級10回戦」WBC世界フライ級15位ソニー・ボーイ・ハロ(比国)vs東洋太平洋Sフライ級11位・向井寛史(六島)は大差判定(93対99、92対99×2)で向井が勝利したが、判定に疑問。
前日の計量でハロが500グラムオーバー。結局、パスできず、グローブハンデマッチに変更となった。それでもパワー差は歴然。ハロが豪快な右フックで向井を吹っ飛ばす。サウスポーの向井はワンツーを伸ばし、2回には相手の右瞼を切り裂いたものの、ペースを完全に握ることもなく、最終回には右強打に効かされた。手数、ヒット数では向井、ダメージングブローでは圧倒的にハロ。向井の勝ちでもいいが、この点差はない。向井は5連勝(0KO)で世界ランク入りの可能性も出てきたが、そういうレベルの選手ではない。
会場は過去の名城の世界戦では一番の入りだったのでは。リングサイド最前列にオール阪神・巨人、アホの坂田、大助・花子など吉本軍団が集結。メイン開始直前には井岡弘樹会長に引率されてWBAスーパー&IBF世界フェザー級王者ユリオルキス・ガンボア(キューバ)が入場。放送席にいた長谷川穂積が駆け寄り、現役のフェザー級世界王者同士で握手する場面があった。あと、このところ名城の世界戦では毎回だが、ラウンドガールがエロくて良かった。