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山猿

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WBP9 初防衛失敗

「WBC世界フェザー級タイトルマッチ」(09年7月14日@後楽園ホール)
王者:粟生隆寛(帝拳)●判定○同級1位:エリオ・ロハス(ドミニカ)
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粟生には本当にがっかりした。
何なんだろうこの当然すぎる陥落は。
希望して初防衛戦の相手にトップコンテンダーを指名したとのことだが、負けてしまってはまるで意味がない。別に強い相手と戦い続けて王者になった選手ではないのに、なぜここでこのマッチメイクなのか。戦力を冷静に分析して勝てると踏んでいたのなら、あまりにピントがずれている。トランクスのロゴを見ればわかるように、新王者のロハスはドン・キング傘下の選手。あまりに失うものの多い敗北だ。

カウンターを狙っているのか知らないが、手数がまったく出ていない。序盤からポイントを連取され、流れを変えようというアクションもないまま試合終了。勝利への執念や勝利を引き寄せるための勇気といったメンタル面でも明らかに劣っていた点もいただけない。結局、世界選手権銅メダルと高校王者の技術差そのものがこの日のリングでは映し出された。
9色のカウンターを用意するより前にやることがいくらでもある。もっともそのカウンターも相手の打ち終わりに引っ掛ける右フック、相手の左を迎え撃つ左ストレート、相手の右の打ち終わりに飛ばす得意の左ストレートくらいしか見せることができなかったが。

前戦で改善の兆しを見せていたオーソドックスの左ジャブを貰いすぎる悪癖も露呈。結局、何の見せ場もないまま大差判定で陥落した。WBCのため試合は公開採点制。8回終了時に敗北が見えていたが、最終回まで戦い方が変わらなかったことも情けない。期待外れというほど期待はしていなかったが、残念な試合だった。

新王者・ロハスについて。
ドミニカ共和国のボクサーと聞くと、なぜかドミンゴ・ソーサが思い浮かんでしまい強いイメージを持てずにいたのだが、ロングレンジから組み立てる丁寧なボクシングは安定している。スピード、テクニック、コンビネーション、ボディワーク、カウンター、体格など十分なものを備えているが、いくらなんでも打たれ脆いだろ。粟生にも7回に右フック、9回に左ストレートのカウンターでフラフラにさせられた。技巧を持ち出す前にあっさり陥落する予感もある。長谷川なら難なく攻略しそうだ。

現役続行の粟生だが、ダイレクトリマッチは許されまい。ホルヘ・リナレスにWBA世界Sフェザー級王座を返上させて二階級制覇というプランも論外。今回の試合のVTRを百ぺんくらい見直し、トランクスのスリットを浅くして、日本タイトル戦から出直すべし。
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by the_leaping_hare | 2009-07-19 03:56 | Box
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